㈱MANGA RAKが勝訴、小池一夫著作権訴訟控訴審

小池書院・小池一夫に対する損害賠償が認められる

知財高裁は、9月28日、小池一夫の作品を巡る控訴審で、著作権・版権の管理会社・株式会社MANGA RAK側の主張を認める判決を出した。

知財高判平成29年9月28日 http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=87121

参考・週刊朝日2011年10月28日

MANGA RAK(M社)の金田直己社長がコトの経緯を話す。
「2007年3月、突然、小池氏本人から『すべての著作権譲渡を含む後継者になってほしい』と懇願されたので、彼のこれまでの著作と今後製作する著作物の独占的利用権を数億円で取得しました。そして、小池氏を役員に入れて『小池一夫劇画村塾』(M社の前身)を設立し、小池氏のシナリオと優れた漫画家による多くの作品を世に広める活動をしようとしました。ところが、同年末から『子連れ狼』をハリウッドで映画化する準備を始めたところ、小池氏は知人のA氏と共謀して『映画化権は自分たちにある』と主張し、映画製作を妨害したのです」

当事者

< >内以外は、判決文のまま。

<当事者について>

(1) 一審原告 <株式会社MANGA RAK>
一審原告は,著作権,肖像権,商標権及びその他の知的財産権の取得,管理,譲渡などを業とする株式会社である。
(2) 一審被告小池書院
書籍出版に関する事業等を業とする株式会社であり,主に,一審被告Y₁の原作漫画作品の出版を行っている。
(3) 一審被告Y₁ <小池一夫>
漫画作品の原作を行っている者である。平成19年6月5日から平成21年4月2日までの間,一審原告の取締役を務め,平成18年8月28日から平成23年5月30日までの間小池書院の代表取締役を務めていた。
(4) 一審被告Y₃ <普及会社長>
一審被告小池書院及び一審被告普及会の代表取締役である。遅くとも平成16年8月26日から平成18年8月28日までの間,一審被告小池書院の代表取締役を,平成22年3月1日から平成23年5月30日までの間,同社の取締役を,同日から現在まで同社の代表取締役を務めている。また,平成23年5月10日から現在まで一審被告普及会の代表取締役を務めている。
(5) 一審被告普及会
一審被告普及会は,一審被告Y₁の作品を諸メディアに普及する業務などを業とする株式会社である。
(6) 一審被告Y₄ <元KK TRIBE社長>
平成19年6月5日から平成20年10月14日まで一審原告の取締役を務めていた(。また,平成18年12月6日から平成23年6月30日までの間,株式会社KK TRIBE(以下「KK TRIBE」という。)の代表取締役を務めていた。なお,KK TRIBEは,平成23年6月30日株主総会決議により解散している。

判決内容(知財高裁の判断)

< >内以外は、判決文のまま。……は略。

請求原因(1)

<小池書院が,平成20年1月25日から平成22年6月30日までの間,一審原告の許諾なくして出版した、書籍99点について。>

<本件独占的利用許諾契約の成立を認定したうえで、>

「一審原告に無断で出版して本件独占的利用権を侵害したことについて,民法709条,719条に基づき,521万9280円(一審被告Y₁に対する関係では,448万9230円,この範囲で連帯となる。)……の支払を求める限度で理由がある。」

請求原因(2)

<小池書院が,平成23年7月から平成26年11月25日までの間,一審原告の許諾なくして出版した、①書籍104点と②書籍143点について。>

「一審被告小池書院及び一審被告Y₃<普及会社長>に対し,民法709条,719条に基づき,連帯して,①1421万4940円……及び②一審被告小池書院及び一審被告Y₃<普及会社長>に対して165万3420円……の支払を求める限度で理由がある。」

請求原因(3)

<映像化について。>

「CSデヴコから得べかりし100万米ドル及びフジテレビから得べかりし170万円については,これを一審原告の本件独占的利用権の侵害による損害とまで認めることはできないが……,一審原告とCSデヴコあるいはフジテレビとの間で,「子連れ狼」の映画化あるいはテレビドラマ化の話があり,特に,CSデヴコとの間では,取引基本合意書による合意がされるなど交渉が具体化していたのであるから,一審被告Y₁により本件7作品の著作権譲渡がされ,これらの譲渡が登録されて対抗要件を備えたことによって,一審原告が「子連れ狼」の映画化やテレビドラマ化を許諾することが困難になったことは明らかである。

「一審被告Y₁は,ラッキー17からオプション価格35万米ドルを受領しており,これは一審被告Y₁が本件独占的利用許諾契約に違反して1212との合意をし,本件独占的利用許諾契約に違反して一審被告普及会に本件7作品の譲渡を行ったために得た利益である。」

そして,……一審被告Y₁は,1212との間で,1212に「子連れ狼」の実写映画化権等を独占的に許諾するオプション権を与え,ラッキー17からオプション価格35万米ドルを受領しているところ,……この取引自体を一審原告が行うことができたとは認められないものの,この取引の事実は,一審被告Y₁からKK TRIBEや一審被告普及会に対する本件7作品の著作権譲渡がなければ,一審原告が「子連れ狼」の映画化を許諾することによってその対価の支払を受ける蓋然性が高かったこと及びその場合に一審原告が得ることのできた許諾料を推認させる事実であるということができる。したがって,一審原告は,一審被告Y₁からKK TRIBEに対する本件7作品の著作権譲渡がされ,一審被告Y₁から一審被告普及会に対する本件7作品の著作権譲渡がされて,これらについて譲渡の登録がされることによって損害を被ったものと認められる。」

35万米ドルの損害賠償請求は認められる
●170万円の請求(フジテレビとの間のテレビドラマ化に関するもの)は認められない。