国交省通達、宅配ボックス設置部分の容積率規制の適用を明確化

宅配バックスは容積率規制の対象外―国交省通達

共同住宅の共用の廊下と一体となった宅配ボックス設置部分については、容積率規制の対象外とする運用が明確化される。

通達内容

平成29年11月10日付国交省住宅局市街地建築課長発,国住街第127号

(各都道府県建築行政主務部長宛)

建築基準法(以下「法」)第52条第6項の規定により、共同住宅の共用の廊下の用に供する部分の床面積は、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積(以下「延べ面積」)には算入しないものとされている。

この部分の取扱いについては、「都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律の一部の施行について」(平成9年6月 13日付け建設省住街発第73号)により建設省住宅局長から都道府県知事あて通知されたところであるが、昨今のいわゆる宅配ボックスの普及に鑑み、共同住宅の共用の廊下に宅配ボックス、郵便受けその他これらに類するもの(以下「宅配ボックス等」)を設置した場合の法第 52 条第6項の規定の運用について、地方自治法第 245 条の4第1項の規定に基づく技術的助言として、下記のとおり通知する。

<……中略……>

宅配ボックス等を用いた宅配物又は郵便物(以下「宅配物等」)の一時的な保管及び当該宅配ボックス等への宅配物等の預け入れ並びに当該宅配ボックス等からの宅配物等の取り出しの用に供する部分であって、共同住宅の共用の廊下と扉等(火災により煙が発生した場合又は火災により温度が急激に上昇した場合のいずれかの場合に、自動的に閉鎖する防火戸であって、火災時等を除き常時開放されているものを除く。)で区画されておらず、当該廊下から直接出入りして利用される場合については、法第 52 条第 6 項に規定する共同住宅の共用の廊下の用に供する部分として、延べ面積には算入しないものと扱って差し支えない

地方自治法第 245 条の4第1項の規定に基づく技術的助言とは

法的拘束力は無いが……。

通達は、行政内部において上級官庁が下級官庁の権限行使を指揮監督する手段として書面で発する命令であり、国の中央省庁が発する通達については国家行政組織法で「各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、命令又は示達するため、所管の諸機関及び職員に対し、訓令又は通達を発することができる」(同法第14条第2項)と規定されている。

機関委任事務については、改正前の地方自治法第150条において、主務大臣が自治体の長に対して指揮監督権を行使できるとされていたことから、中央省庁から自治体に対して通達を発することができた。

地方分権を進める政策により、機関委任事務が廃止されると伴に、従来の「通達」も無くなった(地方分権一括法)。

ただし、それまで指揮監督権に基づき拘束力のあるものとして発出されていた通達のうち、法定受託事務に係る処理基準として、引き続き拘束力を有する必要があるものは、地方自治法第245条の9に基づく処理基準であることを明示して存続することとされた。

したがって、245条の4第1項の技術的助言に拘束力は無い。権限を持つ自治体の行政庁が、技術的助言に背く行政行為を行っても問題は無い。

しかし、その行政行為について訴訟が提起されるリスクは大きい。「法律の解釈を誤ってなされた」と原告の言い分は作りやすい。

さらに、平等原則や事前告知の観点から、通達に則ることが公正である。