保守速報に賠償命じる 転載でもヘイトスピーチの責任 ―大阪地裁

転載でもヘイトスピーチの責任

まとめサイト「保守速報」を運営する男性に2200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、大阪地裁であった。

判決では「名誉毀損(きそん)や人種差別にあたる記事を40本以上も掲載し、執拗(しつよう)だ」として、200万円の損害賠償の支払を命じた。

概要

原告は、フリーライターの在日朝鮮人の女性。

ヘイトスピーチ訴訟

「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の会長(当時)らがインターネット上で、原告の出自を取り上げて、「不逞(ふてい)鮮人」などのヘイトスピーチを繰り返し投稿し、「保守速報」が同様の匿名によるヘイトスピーチを掲載。これを受けて原告は会長(当時)および在特会に約550万円、発言を転載した「保守速報」に約2200万円の損害賠償を求めた。ヘイトスピーチを巡って個人が賠償請求する訴訟は初めてのもの。

在特会

既に当時の会長と在特会に対しては2016年9月27日に大阪地裁は人格権の侵害を認め、在特会側に計77万円の支払いを命じる判決を言い渡している。この判決では在特会を「在日朝鮮人を日本から排斥することを目的に活動する団体」であるとし、会長(当時)の発言が「在日朝鮮人への差別を助長、増幅させる意図で行われた」ヘイトスピーチとして、日本が加入する人種差別撤廃条約に違反すると指摘していた。

保守速報

保守速報に関しては、「情報の集約に過ぎず、転載したことに違法性はない」と運営側が主張するとおり、ヘイトスピーチを転載する行為をどのように判断するか難しい問題となる。

このような中、大阪地裁は、保守速報が掲載した、原告女性に対する「頭おかしい」や「朝鮮の工作員」といった表現は、社会通念上許される限度を超えた侮辱にあたると認定。また、「日本から叩き出せ」などの表現は「日本の地域社会から排除することをあおる」として、人種差別を指摘。

そして、表題の作成や情報量の圧縮、文字の強調によって「2ちゃんねるとは異なる、新たな意味合いを有するに至った」とし、引用元の投稿とは別に、「保守速報」自体が人格権を侵害していると判断した



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