消費者庁、特商法に基づく長官の処分に係る審査基準を改定

特商法に基づく消費者庁長官の処分に係る審査基準

消費者庁は、特商法施行令の改正を前に、改められた審査基準を公表した。なお、改正された施行令は平成29年12月1日から施行される。悪質事業者への対応の強化が目的で、業務禁止命令の対象となる使用人の範囲の確定と、立入検査等の対象となる「密接関係者」の拡大が主な改正内容。

公表された基準

※赤字が新たな文言
消取引第410号
特定商取引に関する法律に基づく消費者庁長官の処分に係る審査基準等について
平成29年11月17日
消費者庁長官 岡村 和美
特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「法」という。)に基づく消費者庁長官の処分に係る行政手続法(平成5年法律第88号)第5条第1項の規定による審査基準及び同法第12条第1項の規定による処分基準についてはそれぞれ次のとおりとする。
なお、平成29年12月1日をもって、「特定商取引に関する法律に基づく消費者庁長官の処分に係る審査基準等について」(平成25年5月1日消取引第307号)は廃止する。

1.申請に対する処分に係る審査基準

法第61条第1項の規定による指定法人の指定は、特定商取引適正化業務を行う者に関する命令(平成11年総理府・厚生省・農林水産省・通商産業省・運輸省・建設省令第1号。以下「命令」という。)第2条各号に掲げる基準によるものとする。

(1)命令第2条第1号は、特定商取引適正化業務を適正かつ確実に行うために必要な経理的基礎及び技術的能力を有することを要件としている。経理的基礎については、①累積欠損がなく、かつ、収支が良好であること、②特定商取引適正化業務を行うための最小限の固定費を賄うに足る資産を保有していることを基準とする。技術的能力については、①主務大臣への申出をしようとする者に対し適切な指導又は助言を行うことができる能力を有する者(例えば、消費生活アドバイザー若しくは消費生活コンサルタント等の資格を有する者又はこれらと同等以上の消費者からの苦情を処理し若しくは相談を受ける能力を有すると認められる者)を雇用して常時その業務に携わらせることができ、かつ、これらの者を適切に監督することができる体制であること、②主務大臣からの求めに応じて申出に係る事実関係につき調査を行う能力を有する者(例えば、消費生活アドバイザー若しくは消費生活コンサルタント等の資格を有する者又はこれらと同等以上の消費者からの苦情を処理し若しくは相談を受ける能力を有すると認められる者)を雇用して常時その業務に携わらせることができ、かつ、これらの者を適切に監督することができる体制であること、③特定商取引に関する情報又は資料の収集及び提供をすることが可能な手段を有すること、④苦情処理若しくは相談に係る業務を担当する者を養成するための講座又は試験についてこれまで実績があること(新たに実施しようとする場合においてはその内容等が適切なものであること)、⑤特定商取引適正化業務の適正かつ確実な実施を確保するための実施規程等の内部規程が整備されていることを基準とする。

(2)命令第2条第2号に規定する「役員又は社員の構成が特定商取引適正化業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれのないものであること」とは、その役員又は社員の構成が一部の限られた者の利益代表である等、特定商取引適正化業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがなく、全体として中立公正であること、及び個々の役員又
は社員の選任についても適正に行われていることを基準とする。

(3)命令第2条第3号に規定する「特定商取引適正化業務以外の業務を行っているときは、当該業務を行うことにより特定商取引適正化業務が不公正になるおそれがないこと」とは、申出の調査の対象となりうる企業から特定商取引適正化業務と密接な関係を有する業務を受託していないことを基準とする。

(4)命令第2条第4号に規定する「その指定をすることによって特定商取引適正化業務の適正かつ確実な実施を阻害することとならないこと」とは、当該指定によって特定商取引適正化業務の業務量に対して指定法人の数が過剰となり業務の実施に混乱が生じる等、特定商取引適正化業務の適正性や確実性を欠くこととならないこと
を基準とする。

2.不利益処分に係る処分基準

(1)法第7条の規定による訪問販売に係る販売業者又は役務提供事業者に対する指示、法第8条の規定による訪問販売に係る販売業者又は役務提供事業者に対する業務の停止、法第14条の規定による通信販売に係る販売業者若しくは役務提供事業者又は通信販売電子メール広告受託事業者に対する指示、法第15条の規定による通信販売に係る販売業者若しくは役務提供事業者又は通信販売電子メール広告受託事業者に対する業務の停止、法第22条の規定による電話勧誘販売に係る販売業者又は
役務提供事業者に対する指示、法第23条の規定による電話勧誘販売に係る販売業者又は役務提供事業者に対する業務の停止、法第38条の規定による統括者、勧誘
者、一般連鎖販売業者又は連鎖販売取引電子メール広告受託事業者に対する指示、法第39条の規定による統括者、勧誘者、一般連鎖販売業者又は連鎖販売取引電子
メール広告受託事業者に対する連鎖販売取引の停止、法第46条の規定による特定継続的役務提供に係る役務提供事業者又は販売業者に対する指示、法第47条の規
定による特定継続的役務提供に係る役務提供事業者又は販売業者に対する業務の停止、法第56条の規定による業務提供誘引販売業を行う者又は業務提供誘引販売取
引電子メール広告受託事業者に対する指示、法第57条の規定による業務提供誘引販売業を行う者又は業務提供誘引販売取引電子メール広告受託事業者に対する業務
提供誘引販売取引の停止、法第58条の12の規定による訪問購入に係る購入業者に対する指示及び法第58条の13の規定による訪問購入に係る購入業者に対する
業務の停止は、それぞれの条に定める処分の基準のほか、事業者によるコンプライアンス体制の状況、違反行為の悪質性及び被害の現実の広がりや将来の拡大可能性
等の観点を総合的に考慮の上、行うものとする。また、法第8条の2、法第15条の2、法第23条の2、法第39条の2、法第47条の2、法第57条の2又は法第58条の13の2の規定による業務の禁止は、それぞれの条に定める処分の基準のほか、停止を命ぜられた業務の遂行に主導的な役割を果たしている者が同種業務を繰り返す蓋然性等の観点も考慮の上、行うものとする。

(2)法第62条の規定による指定法人への改善命令及び法第63条の規定による指定
法人の指定の取消しは、それぞれの条に処分の基準が定められており、更に具体的
な処分の基準を作成することは困難であるため、処分基準は作成しない。

行政手続法

第5条
  1. 行政庁は、審査基準を定めるものとする
  2. 行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。
  3. 行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。
第12条
  1. 行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない
  2. 行政庁は、処分基準を定めるに当たっては、不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。



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