[ニュース考察]自民議連がゴルフ場利用税廃止求める

自民議連がゴルフ場利用税廃止求める決議

ゴルフ振興議員連盟などが会合を開き、「スポーツの中で、ゴルフ場の利用にだけ課税されるのは不当だ」などとして、来年度の税制改正で廃止を求める決議を採択したとの報道が流れた。

自民議連 ゴルフ場利用税廃止求める決議採択 NHK  http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171121/k10011230881000.html

「ゴルフ場利用税」廃止求める決議 フジテレビ http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00377102.html

法人税減税といい、またか……。消費税は増税すると言うのに!そんな声が聞こえてくる。

しかし、ゴルフ場利用税は、贅沢税と言えるのか。

40年以上前、最高裁は贅沢税と見た。その理論が今の社会に当てはまるのか、各々考えて頂きたい。

ゴルフ場利用税

ゴルフ場利用税とは、ゴルフ場の利用について、1日当たりの定額で、ゴルフ場の所在する都道府県が課する税(地方税法4条2項6号、75条以下、1条2項)。基準は各都道府県により異なるが、利用料金、ゴルフ場の規模などの等級に応じて課税を行っている。標準税率は1日当たり800円で、1,200円が上限(地方税法76条)。

最高裁は、ゴルフ場娯楽施設利用税事件で、贅沢税としての性格を認め、「スケート場、テニスコート、水泳プール、野球場等の利用は普遍的、大衆的であり、利用料金も担税力を顕著にあらわすものとはいえない」が、ゴルフは異なるとして、ゴルフ場利用に課税することは不合理ではないとした。

ゴルフ場娯楽施設利用税事件

最高裁判決1975(昭和50)年2月6日(判時760号30頁)

上告人は、1965(昭和40)年9月21日、ゴルフ場「府中カントリークラブ」を利用した。これについて東京都は、当時の地方税法第75条第1項第2号、同法第78条の2、および当時の東京都都税条例第48条の15第2号、同条例第48条の17第2項により、娯楽施設利用税として、上告人から金500円を徴収した。

娯楽施設利用税とは、旧地方税法第75条第1項で定められていた税。舞踏場、ゴルフ場、ぱちんこ場および射的場、まあじゃん場およびたまつき場、ボーリング場等の施設の利用に対し、利用料金を課税標準とする施設利用税。ゴルフ場については、同法第78条の2が、一人一日500円とする標準税率を特例的に定められていた。
娯楽施設利用税は、消費税法の施行(1989(平成元)年4月1日)にともなって廃止されたが、ゴルフ場の利用についてのみはゴルフ場利用税として存続((地方税法4条2項6号、75条以下、1条2項。娯楽施設利用税と同様に都道府県税)。→したがって、消費税とゴルフ場利用税の「税の二重取り」の問題が税法上生じ、今も議論が続いている。が、本件はそれ以前の問題。

上告人は、娯楽施設利用税の徴収は無効であり、金員の返還を求めて出訴した。

上告人の主張(違憲の主張)

①ゴルフ場の利用に対し娯楽施設利用税を課することを定める前記地方税法の規定はスポーツであるゴルフを間接に制限するものとして憲法第13条(幸福追求権)に違反する。

②等しくスポーツでありながら、スケート、テニス、水泳等他のスポーツの施設の利用者に対しては課税せずゴルフ場の利用に対してのみ課税するのは憲法第14条(平等原則)に違反する。

13条「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」
14条「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」

1審、2審とも原告・控訴人(上告人)敗訴。これに対して上告。

最高裁の判断

上告人の①(幸福追求権)の主張について

「ゴルフはスポーツであると同時に娯楽としての一面をも有し、原判決が確定した事実によれば、その愛好者は年々増加しているとはいえ、なお特定の階層、とくに高額所得者がゴルフ場の利用の中心をなしており、その利用料金も相当高額であって、ゴルフ場の利用が相当高額な消費行為であることは否定しがたいところであり、地方税法がゴルフ場の利用に対し娯楽施設利用税を課することとした趣旨も、このような娯楽性の面をも有する高額な消費行為に担税力を認めたからであると解せられる。地方税法75条1項2号は、ゴルフ自体を直接禁止制限しようとするものではないばかりでなく、もともとゴルフは前記のように高額な支出を伴うものであり、かかる支出をなしうる者に対し、ゴルフ場の利用につき、1日500円程度の娯楽施設利用税を課したからといって、ゴルフをすることが困難になるとはとうてい考えられず、右規定がスポーツをする自由を制限するものであるということはできない」。

上告人の②(平等原則)の主張について

「立法上ある施設の利用を娯楽施設利用税の課税対象とするか否かは、その時代における国民生活の水準社会通念を基礎として、当該施設の利用の普及度、その利用の奢侈性、射幸性の程度、利用料金にあらわされる担税力の有無等を総合的に判断したうえで決定されるべき問題である。ゴルフがスケート、テニス、水泳、野球等と同じく健全なスポーツとしての一面を有することは所論のとおりであるが、スケート場、テニスコート、水泳プール、野球場等の利用は普遍的、大衆的であり、利用料金も担税力を顕著にあらわすものとはいえないのに対し、ゴルフ場の利用は、前記のとおり特定の階層、特に高額所得者がその中心をなしており利用料金も高額であり、高額な消費行為であることは否定しがたいところである。右のごとき顕著な差異を無視して地方税法75条1項2号が租税負担の公平を欠き平等原則に違反するとする所論違憲の主張は、その前提を欠く」。