森友学園問題 会計検査院報告書要旨版(全文)Part.4

会計検査院は、平成29年11月22日、国会法第105条の規定による検査要請を受諾した下記の事項について、会計検査院法第30条の3の規定により、検査の結果を報告した。

「学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する会計検査の結果について」


【目次と当サイトでのページ分け】

1 検査の背景及び実施状況
2 検査の結果
(1) 大阪府豊中市の国有地の貸付及び売却の経緯
(2) 貸付価格及び売却価格並びに価格算定手続の適正性
(3) 当該国有地の貸付及び売却に関する行政文書の管理状況
3 検査の結果に対する所見

Part.1 → 1
Part.2 → 2のうち(1)
Part.3 → 2のうち(2)
Part.4 → 2のうち(3)
Part.5 → 3


学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する会計検査の結果についての報告書(要旨)

平 成 2 9 年 1 1 月

会 計 検 査 院

2.検査の結果

(3) 当該国有地の貸付及び売却に関する行政文書の管理状況

ア 財務省の管理状況

(ア) 文書の管理状況

財務省は、「公文書等の管理に関する法律」(平成21年法律第66号)に基づき、財務省行政文書管理規則及び財務省行政文書管理規則細則(以下、これらを「文書管理規則等」という。)を定め、行政文書の管理等を行っており、歴史資料として重要な公文書その他の文書(以下「歴史公文書等」という。)に該当する行政文書の保存期間は、文書管理者が標準文書保存期間基準において定め、歴史公文書等に該当しない行政文書の保存期間は原則として1年未満とされている売払決議書等の決裁文書の作成に当たっては、経緯も含めた意思決定に至る過程並びに事務及び事業の実績を合理的に跡付け、又は検証できるよう、保存期間を1年未満とした行政文書の内容も、必要に応じて管理処分調書等として決裁文書に集約して保存しているとしている

そして、近畿財務局は、本件土地の売却等に係る決裁文書の作成に当たり、主な経緯等を記載した管理処分調書等を作成しており、1年未満とした行政文書の内容も決裁文書に集約したとしている。しかし、管理処分調書等を含む本件土地に係る決裁文書等の行政文書では、本件土地の売却に至る森友学園側との具体的なやり取りなどの内容や、有益費の確認、支払等に関する責任の所在が明確となっていないなど、会計経理の妥当性について検証を十分に行えない状況となっていた。

そこで、更に本件土地の処分等に係る協議記録等について提出を求めたところ、近畿財務局は、本件土地の処分等に係る大阪航空局や森友学園との協議記録等については、保存期間を1年未満としており、協議記録等を作成していたとしても、本件土地の森友学園との売買契約終了後等に廃棄することとしていたことから確認することができなかったとしている。

なお、29年9月20日に開催された内閣府の公文書管理委員会において、行政文書の管理に関するガイドライン(以下「行政文書ガイドライン」という。)の見直しの方向性が議論されており、歴史公文書等の範囲の明確化や、保存期間1年未満の行政文書の取扱いなどについて、引き続き検討されているところである。

(イ) 電子ファイルの管理状況

近畿財務局は、文書管理規則等により、電子ファイル等の行政文書について、財務局行政情報化LANシステム(以下「財務局システム」という。)等に保存することとしており、本件土地の処分等に係る協議記録等の電子ファイルについても、保存期間満了までは財務局システムのファイルサーバに保存されていたとしている。そして、保存期間の満了した行政文書の電子ファイルについては、文書管理規則等に基づき財務局システムから削除したとしている。

また、近畿財務局は、28年10月に財務局システムを更新しており、旧システムのサーバのハードディスクについては物理的に破壊されていることなどから、28年10月以前に保存期間の満了に伴い、又は、1年未満の保存期間とされ旧システムのファイルサーバから削除された行政文書の電子ファイルのデータについては、復元することはできないとしている。

イ 国土交通省の管理状況

国土交通省は、国土交通省行政文書管理規則(平成23年国土交通省訓令第25号)に基づき、文書管理者が標準文書保存期間基準を定めることとなっている。また、大阪航空局では、歴史公文書等に該当せず、標準文書保存期間基準に定めがない行政文書については、保存期間を1年未満として運用している。

本件土地の取得から売却に関係する文書については、主に大阪航空局補償課が文書を管理している。そして、補償課の文書管理者により定められた標準文書保存期間基準(以下「補償課文書基準」という。)によると、移転補償事業の実施に関する事項のうち、事業の実施に関する事項についての関係行政機関等との協議又は調整に関する文書や事業を実施するための決裁文書については、保存期間が10年とされており、土地区画整理事業の換地に関する事項のうち、同意のための決裁文書等については、保存期間が10年とされている。また、国有財産の財産取得に関する事項に関する文書については保存期間が30年とされており、いずれも保存期間満了後の措置は廃棄とされている。

このため、移転補償跡地の取得に関する協議文書等や野田区画整理事業の換地に関する協議文書等は、保存期間を経過し、保存されていないことから、土地取得時における経緯等を確認することができず、地下構造物等が残置されたままとなった経緯について確認することができなかった。

また、有益費に関する決裁文書や売却時における地下埋設物撤去費用等についての近畿財務局への回答に関する決裁文書には、有益費として支払う額の確認や売却時における地下埋設物の取扱いに関して近畿財務局や森友学園との間でどのような協議が行われていたのかが記載されていなかった。

そこで、更に協議記録等について提出を求めたところ、空港場外用地等に関する処分依頼関係文書については、補償課文書基準において保存期間が5年となっているものの大阪航空局は、本件土地の処分依頼に係る近畿財務局や森友学園との協議記録については、処分依頼関係文書に含まれないとして、保存期間を1年未満とし、本件土地の森友学園との売買契約終了後等に廃棄することとしていたことから確認することができなかったとしている。このため、近畿財務局や森友学園とどのような協議が行われていたのかなどを確認することができず、会計経理の妥当性について検証を十分に行えない状況となっていた。

さらに、大阪航空局は、本件処分費の単価がどのような条件下で提示された単価であるのかなどを示す資料は、地下埋設物の撤去・処分概算額の算定過程における検討資料であり処分依頼関係文書には含まれないものであるとして、保存期間を1年未満とし、売買契約終了後に廃棄することとしていたことから保存していなかったとしている。このため、本件処分費の単価等について詳細な内容を確認することができず、会計経理の妥当性について検証が十分に行えない状況となっていた。



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