【民主化どこへ?】ミャンマー 言論弾圧に通信法悪用 新政権下で摘発激増

スー・チー氏の積極的な対応が求められる

ミャンマーで、アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)氏が率いる国民民主連盟(NLD)による文民政権が発足して以降、同国の通信法に基づく名誉棄損罪などで市民が摘発されるケースが激増していることが11日、人権団体の報告により明らかとなった。AFP通信が報じた。

人権団体「フリー・エクスプレッション・ミャンマー(FEM)」の報告書によると、ソーシャルメディアへの投稿を取り締まる根拠とされている悪名高い電気通信法第66条(d)に基づいて市民が摘発された件数は、軍事政権下で11件にとどまっていたが、文民政権が発足した2016年3月以降では97件に上っている。

ほぼ全てが名誉棄損罪に関わるもので、インターネット上で風刺記事を書いた人や活動家、ジャーナリストが取り締まり対象となっている。また、裁判が行われたすべてのケースで禁錮刑を含む有罪判決を言い渡されているという。

【参考】ミャンマー:民間紙編集長ら拘束 軍批判で – 毎日新聞https://mainichi.jp/articles/20170604/k00/00m/030/017000c ミャンマーの民間大手日刊紙ボイスの編集長とコラムニストが2日、国軍を風刺する記事をネット上に掲載したとして、警察に拘束された。国軍5月17日にインターネット上での中傷を禁じる電気通信法の違反に当たるとして提訴していた。

民主化への移行途上

ミャンマーではなおも軍部が影響力を持っている。スー・チー氏は要職に就いているが、総選挙でNLDが圧勝して以来権力を握りきれていない。なおも軍が憲法に基づく責任の枠外で行動している(2017年1月31日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)。

もっとも、スー・チー氏自らが積極的な行動を控えている。NHKが取材している。

2017年7月6日 NHK『国際報道2017』特集ダイジェスト「スー・チー氏は、これまでこの問題への対応には沈黙を続けていました。しかし実は、今日(6日)の記者会見で記者からの質問を受け、『議会が法律の改正を検討している』と述べ、初めてこの問題に言及しました。ただ、法改正の具体的な内容は説明しなかったほか、現状に対するスー・チー氏自身の考えにも触れませんでした。電気通信法の改正をめぐっては、これまでも議会で議題になったことがありますが、改正には至らなかった経緯があります。今日スー・チー氏が言及したとはいえ、実際に今後改正されるかどうかは見通しがたっていないのが現状です。」

※8月31日、ティン・チョー大統領が、電気通信法の改正案に署名し、改正法が発効した。しかし、罰則を若干弱める程度の改正だった。



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