【仮処分】伊方原発3号機 運転差止め ― 広島高裁【四国電力の不誠実な反論が目立つ】

伊方原発3号機の停止求めた仮処分申立

愛媛県にある伊方原子力発電所3号機の運転を停止するよう広島県などの住民が求めた仮処分の申し立てについて、広島高等裁判所は13日、住民の訴えを認めた。

高裁レベルでは初判断となる。東日本大震災後、差し止めを命じた判決・決定は、昨年3月の大津地裁(関西電力高浜原発3、4号機)など4例で、いずれも地裁の判断だった。

本件で広島高裁が認めた仮処分は、平成30年9月30日まで停止する内容。

【伊方原発3号機運転差止仮処分命令申立】広島高裁による決定【原文・要旨全文】
決定文の要旨 広島高裁による決定文の要旨(同高裁から交付されたもの)を原文のままで掲載します。 決定文自体は40...

伊方原発3号機は定期検査のため運転を停止中だが、仮処分の効力は、決定が覆されないかぎり続くため、定期検査が終了する来年2月以降も運転できない状態が続く。

四国電力株は、一時、前日比161円(10.62%)安の1355円まで下落した。

四国電力は、主張が認められなかったことは、極めて残念であり、到底
承服できない。速やかに異議申立ての手続きを行うとしている。http://www.yonden.co.jp/press/re1712/data/pr005.pdf




申し立ては、広島県などの住民4人が、「重大事故の危険がある」として運転の停止の仮処分を求めるもの。

広島地方裁判所は今年3月、退ける決定をし、住民側は決定を不服として抗告。

広島高等裁判所でも、安全対策が万全かが争点となった。

争点①地震対策

住民側

「揺れが小さく評価されているうえ、そもそも480キロもの長さの断層から発生する地震動の評価は多くの専門家に支持されるような手法が存在しないため、合理的な予測にはならない。基準地震動を超える揺れが起きた場合、現状の重大事故の対策は移動式の設備による人的対応が中心のため、有効に機能するかは極めて不確実で、具体的な危険がある」と主張。

四国電力

「揺れの大きさを合理的に算定し、480キロの断層が連動した場合でも原発の安全性は損なわれない。仮に、基準地震動を超える揺れが起きても、重要な施設の機能が損なわれないよう耐震性に余裕を持たせたほか、重大事故の対策として常設の設備と移動式の設備を組み合わせて放射性物質の放出を防止する対策を講じている」と反論。

争点②火山噴火のリスク

住民側

「火山灰などの濃度が低く評価され、原発の冷却機能を維持する非常用の発電機に火山灰が詰まって機能が喪失するおそれがある」と主張。

四国電力

「火山灰などの量を高く見積もり、非常用の発電機の機能が喪失する可能性は低い。現在実施中の定期検査で、非常用発電機に交換可能なフィルタを取り付け、想定される濃度の火山灰でも機能が維持できるよう対策している」と反論。

争点③原子力規制委員会の新しい規制基準

住民側

「福島第一原発のような事故が2度と起こらないと考えられるほどの安全性が原発に求められるが、重大事故が起きる危険があり、新しい規制基準には不備がある」と主張。

四国電力

「規制基準は基準地震動を超える地震の発生も考慮した規定となっており、原発事故の教訓を十分反映した合理的なものだ」と反論。

参照 弁護団公開資料 http://saiban.hiroshima-net.org/karishobun/decision.html

他の裁判

この仮処分に関する本訴は、現在、広島地裁で係属中。

仮処分(即時抗告審も含む)は広島の他、3つの裁判所で係属中(高松高裁、大分地裁、山口地裁岩国支部)。

大分地裁では、大分県民を原告とする本訴も係属中。

参照 脱原発弁護団公式サイト http://www.datsugenpatsu.org/bengodan/