今年1月、会計検査院が防衛省の特定秘密を閲覧

初の特定秘密閲覧

共同通信による情報公開請求で、会計検査院が今年1月、防衛省を検査する際に特定秘密情報を閲覧していたことが判明した。防衛省が会計検査院に提供したのは、陸上自衛隊の装備品の性能に関する情報だった。

2014年の特定秘密保護法施行後、会計検査で特定秘密の提供を受けたのは初めて。

検査院の権限

日本国憲法第90条は会計検査院の憲法上の権限として「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し」と定めている。

2013年(平成25年)9月、会計検査院は特定秘密保護法が成立すれば、秘密指定書類が会計検査に提出されないおそれがあると内閣官房に指摘、条文の修正を求めた。

幹部同士の話し合いを経て、条文の修正をしない代わりに内閣官房が各省庁に通達することで合意し本法は成立した。この通達は、「秘密事項について検査院から提供を求められた際には提供しているが、法の施行により取り扱いに何らの変更を加えるものではない」とする通知だった(2015年12月25日発出)。

しかし、通達はその時々の判断で容易に変更可能であり、制定法とは異なり民主的プロセスから離れている。正しい行政のあり方としては、むしろ、通達が法律に矛盾する場合は、法律に則るべきだ。

すると、正しい行政の立場は「特定秘密は会計検査院に差し出すな」ということになるのだ。

特定秘密として指定できる情報

特定秘密の保護に関する法律(平成二十五年法律第百八号)別表

第1号 – 防衛に関する事項(改正前の自衛隊法別表第4に相当)

イ.自衛隊の運用又はこれに関する見積もり若しくは計画若しくは研究
ロ.防衛に関し収集した電波情報、画像情報その他の重要な情報
ハ.ロに掲げる情報の収集整理又はその能力
ニ.防衛力の整備に関する見積もり若しくは計画又は研究
ホ.武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物の種類又は数量
ヘ.防衛の用に供する通信網の構成又は通信の方法
ト.防衛の用に供する暗号
チ.武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの仕様、性能又は使用方法
リ.武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの製作、検査、修理又は試験の方法
ヌ.防衛の用に供する施設の設計、性能又は内部の用途

第2号 – 外交に関する事項

イ.外国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針又は内容のうち、国民の生命及び身体の保護、領域の保全その他の安全保障に関する重要なもの
ロ.安全保障のために我が国が実施する貨物の輸出若しくは輸入の禁止その他の措置又はその方針
ハ.安全保障に関し収集した条約その他の国際約束に基づき保護することが必要な情報その他の重要な情報
ニ.ハに掲げる情報の収集整理又はその能力
ホ.外務省本省と在外公館との間の通信その他の外交の用に供する暗号

第3号 – 特定有害活動の防止に関する事項に関する事項

イ.特定有害活動の防止のための措置又はこれに関する計画若しくは研究
ロ.特定有害活動の防止に関し収集した国際機関又は外国の行政機関からの情報その他の重要な情報
ハ.ロに掲げる情報の収集整理又はその能力
ニ.特定有害活動の防止の用に供する暗号

第4号 – テロリズム防止に関する事項

イ.テロリズムの防止のための措置又はこれに関する計画若しくは研究
ロ.テロリズムの防止に関し収集した国際機関又は外国の行政機関からの情報その他の重要な情報
ハ.ロに掲げる情報の収集整理又はその能力
ニ.テロリズムの防止の用に供する暗号



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