【TBS元記者(山口敬之)準強姦事件】超党派で「準強姦事件逮捕状執行停止問題」を検証する会 第2回発言要旨

超党派で「準強姦事件逮捕状執行停止問題」を検証する会

第 2 回(2017 年 11 月 27 日参議院議員会 B104 会議室)


【議員本人出席者】
森ゆうこ(自由)木戸口英司(自由)有田芳生(民進)糸数慶子(沖縄の風)吉良よし子(共産)本村伸子(共産)尾辻かな子(立憲民主)杉尾秀哉(民進)福島みずほ(社民)仁比聡平(共産)田村智子(共産)山井和則(希望)神本美恵子(民進)

【議員代理出席者】
柚木道義(希望)菊田真紀子(無所属)早稲田夕季(立憲民主)日吉雄太(立憲民主)田名部匡代(民進)真山勇一(民進)佐々木隆博(立憲民主)高橋千鶴子(共産)高井崇志(立憲民主)宮沢由佳(民進)倉林明子(共産)

【前衆議院議員】池内さおり(共産)

【省庁対応者】
<警察庁>
刑事局刑事企画課理事官 宮島広成
刑事局捜査第一課理事官 菅潤一郎

<法務省>
刑事局参事官 是木誠

<最高裁判所事務総局>
総務局第一課長 平城文啓
刑事局第一課長 福島直之

各出席者の発言内容要旨(抜粋・敬称略)

田村智子(共産) とても大事な問題なので政府の側からの説明を受ける機会を持てたことを歓迎している。女性の人権に関わらず、1 人の人間の人生そのもの。場合によっては生き死にに関わる重大な事件だと認識しているので、ぜひ、今回の不明な点、当事者の方も勇気を持って声を上げられたので、私たち、国政を監視する立場から真相の究明をやっていきたい。

森ゆうこ(自由) 本日は警察庁、法務省に加え、検察審査会自体は独立した機関だが、事務的な事柄は最高裁がやっているということで、最高裁にもお越しいただいた。
前回の宿題になっていた件。逮捕状の執行が、執行直前に執行停止されたということが過去にあったのかどうか、というやりとりが前回あった。要は、逮捕状の請求には文書があるが、執行停止にも手続き上、文書があるという話だった。そのような事案がどの程度あるのかということについて、まず警察庁からご報告いただきたい。

警察庁(菅) 私の答えは前回と同様。まず記録が残るか、という点について申し上げると、刑事事件においては様々な捜査報告書などの書類作成をする。これらは、当然、公判等があるので、そういった手続きが行われる間は当然保存される。終わった後にどこまで残すかというのは、各都道府県警察の決まりに従って、適切に保管されていると承知している。

以上?

警察庁(菅) 前回おられなかった先生もおられますし、前回はいろいろ質問をいただいて、言葉を尽くせなかった部分もあるので、説明を申し上げると、まず逮捕権の運用については、人権に直接関わる問題であるので、慎重かつ適正な運用が必要と考えている。一般論としては、逮捕状を取得している場合においても組織的な検討を重ねる中で、特に客観的な証拠に乏しい事件、立証が容易でない事件については証拠関係を多角的に吟味した結果、逮捕しようと思っても、その時点では被疑者を逮捕することが適切でない、ということで補充捜査をしたり、あるいは先に捜索差し押さえ、いわゆる先行ガサとか言うのだが、こういったものをしたり、任意の取り調べなどが必要あると判断されれば捜査幹部の指揮によって、方針を変更して、ただちには逮捕しないということはあり得る。他方、任意捜査で捜査を進めるという方針であっても、被疑者を取り調べした結果、あるいは捜索差し押さえをした結果に基づき証拠が新たに収集できて、それらを精査した結果、逮捕の必要性があると認める場合は、方針を変更して逮捕するということもある。
いずれにしても、警察は無罪判決等があれば大きく批判を受けるので、適正な捜査の観点から逮捕権の運用は慎重かつ適正に行う必要があると考えているので、取得した逮捕状を執行しないということは通常あり得る。警察における捜査指揮は組織的に行われる。警察本部の担当課が担当する事件について報告を受ければ、逮捕方針を検討して、段階を追って所属の課長や部長の判断を仰ぐ。こういった過程で組織的な意思決定を行う。これが刑事部であれば、刑事部長が最終責任を負うということになる。性犯罪も含め、専門性の高い犯罪については、警察署が担当する事件であっても警察署の体制というのはなかなか強固というわけではなく、専門的な知見がない場合もある。認知などの段階から警察本部に報告がされる。日常的にこういった個々の事件の捜査状況について、警察本部と署の間でやりとりがなされて、捜査方針が決まっていくということになる。警察においては、こうした日常的なやりとりと通じて個々の捜査方針を組織として決定しており、判断が難しい事件において被疑者を逮捕するか否かについては、逮捕権の慎重適正な運用という点から、十分な時間的余裕をもって事前に協議するというのが通常ではある。
ただ、捜査の進捗状況、被疑者の行動によっては、警察署において不足の事態に備えて逮捕状を事前に請求・取得しておきながら警察本部に相談をするということがある。こうした場合でも、警察本部として、事件の内容から、その時点では逮捕することが相当でないということでは、警察署に対してその旨指導をするということもある。そうした様々なやりとりがある中で逮捕するかしないかが決まってくるので、つぶさにそうした状況が記録として残るわけではなく、我々としては、判断した結果が書類として残っていくという状況。

もう少し、分けて答えてほしい。そもそも性犯罪というのは非常に難しいという中で、逮捕状が既に出た。出すのは難しい。空港まで捜査員が行って、中村刑事部長が認めているが、これを執行停止したと。これが単に電話だけで終わるということはあり得ないので、決裁文書があるということを結局認めたはず。それがどのような文書で、そういう文書は何年保管する規則になっているのか。刑事部長が逮捕状を執行したケースが何件あるのか、報告をいただくことになっていたと思うが、その点については。

警察庁(菅) まず「性犯罪は捜査が難しい中で逮捕状が出ていたのだから」という点。逮捕状が出るかどうかと、その後の捜査を尽くした結果、起訴されて有罪見込みがあるかどうかというところはかなり開きがある。逮捕状というのは、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があれば出るので、逮捕状が出たからと言って、その後、我々として完全な有罪の見込みを得てやっているということではない。その後も慎重な捜査をする必要がある。
また、警察において逮捕状請求等をすれば各種書類を作る。被疑者の取り調べをすれば調書等が作成される。こういった記録にとっては訴訟等が継続している期間については保存をしている。各都道府県によって規定があるが、必要な期間、保管されている。

福島みずほ(社民) 期間は何年?

警察庁(菅) 都道府県警察による。

福島 では東京都の場合は?

警察庁(菅) 前回、何年間保存しているか、という質問をもらってなかったので、ただちには答えられない。

福島 だいたい何年?

警察庁(菅) ちょっとわからないが、すぐに捨てたりするものではない。本件に関しても必要な期間はそ
れぞれの規定に沿って保管している。

「必要な期間はそれぞれの規定に沿って」と仰った。必要な期間というのは、この問題の場合はどうなのか。

福島 これだけ議論になっているのだから、東京都に対して、令状の執行停止の文書がどうなっているのか、調べて出してください。今日の話だと、聞いてもいない、ということ。何年なのか?執行停止の記録があるかどうか確認をしたのか?

警察庁(菅) この件に関しての記録は、当然ある。あると聞いている。

福島 あるなら出してほしい。個人名は黒塗りでも良いから。

警察庁(菅) 本件の書類は捜査書類、個別の案件なので出せない。件数等を調査せよとのことだが、本件については必要な捜査を終えて、証拠物を東京地検に送付している。不起訴処分になり、検察審査会でも不起訴相当となっている。このような結果もあるので、この件について細かな説明は差し控えている。

宿題になかなか答えていただけてない。「性犯罪の逮捕状は難しい」と言ったのは菅さん。難しいから、逮捕状が出たからにはそれ相当の理由があったと先ほど説明があった。それを執行停止したからには、それ相当の新たな理由がなければならない。それについて、執行停止の決裁文書を出してもらえれば、それ相当の理由があって「なるほど」と疑念を持った多くの国民の方もわかる。それ相当の理由をもって捜査官が逮捕状を持って被疑者が到着する空港に行っている。そこで執行停止にされたといういうからには、それ相当のさらなる理由があるということを確認をされたか?

警察庁(菅) 前回、申し上げたのは「性犯罪の捜査は一般に難しい」ということ。「逮捕状が出るのが難しい」とは言ってないかと思う。性犯罪の捜査は不起訴になることも多い。被害者の心情に配して様々話を聞くが、特に顔見知りの人との間の事件になると、主張としては合意があったということについて、相互の認識が相違することがある。我々としては客観的証拠を集めて立証に努めるが、例えば被疑者の弁解に矛盾がないかということを突いたり、被害者の供述が客観的状況に整合しているかといったことを確認する。そういった捜査が難しい。

逮捕状が出て、捜査員が空港まで持って行き、逮捕直前だったのに、中村刑事部長の一存で執行停止されたと。これは異常な事態。だから聞いている。

警察庁(菅) この事件そのものについては答えは差し控えているので一般論としてお答えしている。

福島 では、刑事部長が逮捕状の執行停止をしたケースが何件あるか、ということについて答えをいただきたい。

警察庁(菅) 警察署が担当する事件について、特に重要事件や立証が難しい事件は警察本部に報告がいく。そういった中で逮捕をしたり、それは待て、と指導がなされる。刑事部長が、ということだが、警察は組織として判断するため、そういった調査は困難だと考えている。

田村 組織的対応でないケースというのはあり得るのか。一般論でも構わない。個人の判断で、組織的検討を経ないで執行停止することはあり得るのか?

警察庁(菅) 通常、部長がいきなり「やめろ」ということはないと思う。順に報告が上がり、皆でこの事件をどうすべきか検討するので、最終的に部長に報告が上がって、そこの判断がなされることはある。

福島 本人が「自分が取り消した」と言っているが。

警察庁(菅) 様々な報道は確認しているが、そういうことは・・・

杉尾秀哉(民進) 「私が決裁した」と言っている。

警察庁(菅) 私の一存で勝手気ままに止めたということではない。

杉尾 「自分として判断した覚えがあります」と、こう言っている。それを一存と言うかは置いておいて。

警察庁(菅) 繰り返しになるが、警察は組織として判断しているので、下から報告が上がってくれば、上の者がしかるべき判断をするということは当然のことだと思う。

杉尾 逮捕状の請求をする時は所轄レベルで請求をするわけだが、決裁をしたのは署長?それとも本庁まで行っているのか?部長?

警察庁(菅) 先生は警察のことに詳しいので色々と質問をいただくが、本件については個別事案なので答えは差し控える。

福島 この執行停止が妥当かどうかということを問題にしているわけだから、どのように逮捕状が出たか、については極めて重要。誰が決裁したのか。要は、どうしてそれが覆ったのがということを聞きたい。

警察庁(菅) 答えは差し控えさせていただいている。

杉尾 でも普通はこういう時は部長までは上がらない。強姦事件であるか?

警察庁(菅) 事案の内容による。

杉尾 自分が関わったことはあるか?

警察庁(菅) 事案の内容によって刑事部長や本部長に上げるということは当然ある。個々の事件において、それは内容次第。

福島 不可解なのは、裁判所に対して逮捕状を請求する。逮捕状が出て、執行に入っていて、なぜそれが取り消されるのか。逮捕令状が出た後、警察官が空港まで行ったというのは事実か。

警察庁(菅) 個別の案件については答えられない。どのような捜査活動、捜査過程であったかについては答えられない。

福島 捜査活動そのものが妥当だったかということに疑義が出ているから聞いている。何でも答えろということではない。極めて不自然なので国会でチェックすべきだということで超党派で聞いている。

警察庁(菅) 答えられることは限られている。

福島 おかしい。問題がなければ答えても良いではないか。

警察庁(菅) 問題があってもなくても、刑事事件は色んな方のプライバシーに関わる。この事件だから言えないということではない。問題がないからということで警察がその内容をつまびらかにすると色んな人に影響が出る。この事件だけではない。

福島 このケースは警察がやったことが妥当だったかどうかということが疑われている。それが公平だったと私たちに示してほしい。

警察庁(菅) 我々としてはしっかりと捜査をしている。

有田芳生(民進) 本件について、高輪署が徹底した捜査を行った。タクシー運転手から話を聞き、ビデオを見て、逮捕状が発布されるところまで行った。当然、各種事件においては最初から本庁の方と一緒に捜査をすることもあれば、途中から関わることも一般論としてはある。ただ、この件で異例・異常なのは、逮捕状が発布されて捜査員が成田空港まで行った。そこに刑事部長から電話があり、「逮捕は止めろ」と指示があった。本庁と高輪署が定期的にこの懸案をどうするかと相談していた場合、刑事が成田空港まで行って、そこでストップがかかるというのは、手続き上からも異常ではないか。つまり、本庁が関わっていたとしても、「これはちょっと無理だな」という判断は、そんな切迫した状況でなく行われるはず。捜査員は目の前を被疑者が通るのを見ていた。その直前で「止めなさい」ということが来るということは、本庁と相談をしていたとしても、極めて異例だと思わないか?

警察庁(菅) 異例とは思わない。捜査には流れがあり、緊急なこともある。身柄を確保したり任意同行をその場その場で臨機応変にやるということはある。本件については答えは差し控えるが、異例かどうかと問われれば、様々なパターンがあるので、取り立ててこれが、報道されていることが真実だとしても異常だとは思わない。

有田 前回の議事録を見たが、例えば複数の人物が関わっていて、ということはあると思う。今回は1人。事前に警視庁が関わっているとしたら、空港のギリギリ逮捕直前に連絡が来るということは異例ではなく、異常ではないか。

警察庁(菅) 個別の事件の内容によりけりだと思う。

有田 高輪署と本庁はいつから捜査を進めてきたのか。最初は高輪署。高輪署が逮捕の判断を下し、裁判所が逮捕状を発布、刑事は現場まで行った。その直前にいきなり上から止めなさいというのは、高輪署からすれば、何だ、という話。だから担当刑事は忸怩たる思いで今でもいる。そういうことは普通ない。

警察庁(菅) 警察で刑事部をやっていると色々な展開の事件がある。なので現場の刑事が被疑者を逮捕したいと思っても、それを逮捕しないということは珍しいことではない。

現場の刑事の判断ではない。

警察庁(宮島)  補足させていただきたい。私からは刑事手続きや適正捜査一般ということで、個別の罪種は担当していないのだが、一般的なことをお答えする。まず、議論のなっているのは事件指導という部分の問題。警察署が主体となって捜査をするということに対して、警察本部がどうやって議論をするのか。警察本部が指導をする時に、証拠が、裁判官に令状請求しても証拠が足りないと却下をされるような証拠の程度であれば、適正捜査の観点から本部が令状請求しろとかしないとか議論する必要はない。
逆に証拠が十二分で、裁判所に令状請求して、当然出るだけでなく、公判まで見通せるまで高い証拠レベルまで署が持っていたという状況であれば、警察本部の事件指導として、適正捜査の観点から本部が細かく言うことはない。
問題は、逮捕状が出る証拠レベルはあるが、公判の請求維持までなかなか期待できないという状況。そうなると、証拠の評価が出てくる。証拠の評価ということについて、警察署は必ずしも専門性が高いわけではないので、警察署の評価としては、これくらい証拠があれば良いのではないかと思う時もある。他方、警察本部は特定罪種ばかりを指導している人たちがいて、その人たちは証拠の評価というのが、公判請求、公判維持まで持つのかということも含め、より適正に判断できると考えている。

杉尾 それは一般論としてはあるが、これは緊急で止めている。

警察庁(宮島)  事件指導というのが、警察署は 100 以上ある。それをひとつの本部が事件指導をするという構造になっている。極めて事件指導というのが密接にできれば望ましいが、あくまで警察署が主体の捜査であれば、ポイントで指導していく。その指導のタイミングが令状請求などの手前でできれば良いが、場合によっては前後することが現実問題としてないわけではない。その時、警察署が令状を取って、自分たちで証拠を十二分だと評価した後、事件指導でこれでは公判が維持できないのではないか、請求が期待できないのではないかとなった時、天秤にかかるのは、裁判所の令状を取るために裁判官にご覧いただいた手間と、公判が維持できないことによる事件への影響などになる。どちらを優先するかというのが現実の問題としてはある。

そうすると、警察署が 102 あって、警察本部は 1 つ。事件は 1 つではないので、事件指導は、全ての事件に対して行うわけではないよね。

警察庁(宮島)  証拠関係等からして、全然証拠が集まってない事件については頑張れと指導すれば良く、証拠が十二分にあれば、たいした指導をする必要はない。

証拠は十二分にあった。詳しくしていただいてありがたかったか、逆に疑問に思ったことがある。事件指導は前後がある、全て指導するわけではない。逮捕状を請求するのが難しい性犯罪事件で、発布され、執行直前なのに、なぜこの案件だけ特別に事件指導が入って、いきなり執行停止になったのか。今の詳しい説明を聞くと、ますます執行停止についての特異性が逆に際立ったと感じる。何故、この事件だけにいきなり注目することになり、事件指導されたのか。

警察庁(宮島)  一般的な答えになるが、この事件だけと言うが、毎日事件指導はやっている。

杉尾 刑事部長がこんな証拠を見たのか?普通しない。

警察庁(宮島) 本件についてはコメントする立場にないが、下から丸投げされるわけでは当然ない。事件指導を生業担当としている者は、「自分たちはこう思う」「自分としてはこうしたい」という、証拠の評価というのがある程度方針付けられながら行われる。

福島 だから、突然、なぜ事件指導が出てくるのか。

要するに、全ての事件を事件指導できるわけでもない。102 対 1 でなかなか指導は難しいと説明されたわけで、重大・凶悪な犯罪ということではなく、性犯罪事件のこの 1 件だけ何故突然、バタバタと事件指導が入ったのか。何故この事件に事件指導の焦点が当たったのか。何故刑事部長が決裁するに至ったのか。今のご説明を聞くと余計、その理由が分からない。

警察庁(宮島)  簡単です。この事件について説明するつもりではないが、性犯罪はそもそも証拠関係が難しいとされやすい。罰則も非常に重い。殺人事件であれば本部の捜査一課が入って、そもそも専門家が捜査するケースというのは先生方もご承知の通りだと思う。性犯罪になった時に、全部本部が直轄で捜査するわけには必ずしもいかない。そうすると警察署が主体となって捜査をするということに比較的なりやすい。本部が入るケースもあるが。その時に、事件指導をやる場合にはどういったものに着目するかと言えば、当然法定刑が高いものだとか、証拠関係が難しいものを重点的に指導していく。その証拠関係が十二分であれば、福島先生はご存知だと思うが、指導する必要はない。

福島 このケースは任意捜査からある。突然、パッと逮捕で、激情型でやっているのではない。積み上げて、任意捜査をしている。ずっと取り調べを受けている、任意で。証拠が積み上げられていて、それはきちっと捜査をしたと思う。そうすると、刑事部長はいつから事件指導に入るのか。そして、いつ記録を見たのか。何故、逮捕する必要がないと判断をしたのか。教えて欲しい。唐突なので。

警察庁(菅) 本件について内容を答えるのは難しいが、警察本部に報告が上がる事件は様々あり、殺人・強盗・放火・強制わいせつ・略取誘拐。こういった重大犯罪は発生の段階から上がる。それから、証拠関係が難しく、公判で争えなくなる可能性のあるものも報告は最初から上がる。

有田 ただ、この件は特殊性がある。いきなり逮捕直前に連絡が入ったというだけではなく、高輪署が捜査を始めた段階から、TBS のワシントン支局長だという特殊性がある。それは報告されているでしょう。それは最初から最後まで伏線としてあるのではないか。報道機関の重要な人物であるというのは、前提として。

警察庁(菅) 本件は準強姦であるので、発生の段階から全て報告されている。

福島 今の話だと、上に上がっている。任意捜査をやっている段階でも警察庁は知っている。なぜ突然、逮捕令状が出た後、決裁によって取り消されるのかが分からない。

仁比聡平(共産)  確認したいのだが、逮捕状の執行停止については組織的に検討した上での結論を出したという記録があり、本件についても存在すると。逮捕状の執行停止という組織的な結論を出すということと、いま一般論として言っている事件指導はイコールなのか。一般的に捜査をどのように進めるとか、この証拠は弱いのではというような意見交換を事件指導ということなのかと思うのだが。本件で問われているのは、そうではない。いったん出た逮捕状を執行停止をすると。先ほどの文脈だと捜査報告書があるのかなと思うが、それは組織的に決定するのでしょう。

警察庁(宮島) 事件指導の内容を組織的に決定したということで理解してほしい。

仁比 事件指導の概念はどうでも良いが、争点は、逮捕状を執行停止するのを組織的に決定したと菅さんは言っている。記録はあると。ここには出さないが、存在すると。逮捕状が何故執行停止にするのか、という理由を組織的に決定するのだとすれば、部長の一存というのは本来はあり得ない。現場の高輪署の捜査員たちの判断と執行停止の判断がこれほど食い違うのは、組織的に検討しているならあり得ない。

警察庁(菅) 様々なやりとりをして組織として方針を決定している。個別の案件については差し控える。

仁比 出た逮捕状が執行停止になり、それは組織的に決定していることははっきりしていて、記録があると仰った。その決定がなされた理由。

警察庁(菅) 記録はある。ただ、中身については答えは差し控える。

仁比 もう 1 つ、別の角度から聞くと、高輪署の捜査員は現場に臨んだ。この事実を認めているのかもわからないが。

いえ、認めてる。

警察庁(菅) いやいや。

仁比 認めていないのか。それさえも認めないのかというところもあるが、私が聞きたいのはそこではない。現場の捜査員が執行に臨んだということは、その時点 2015 年 6 月 4 日よりも後のこと。執行停止の決定は。組織的に検討して逮捕状の執行停止の決定をなされていれば、執行に臨むわけない。だから、現場が執行に臨み、そこに電話をかけるしかなかったということは、それよりも後でしょう。執行停止の決定をしたのは。

警察庁(菅) 逮捕状には執行停止するという概念はない。執行する・しないということだけ。

仁比 そういう言い方をしても良い。執行しないということを組織として決めたと。

警察庁(宮島) 本件の内容については答えを差し控えるが、色んなパターンがある。逮捕状を取って逮捕しようと思ったが、証拠関係を再検討して、いったん逮捕を見合わせる。例えば裏付け捜査、補充捜査をやる。ガサを先にやる。ということで証拠を集める。

仁比 そういうことではないから。現場は執行に臨んだが、それとは違う判断を上がやって、中村部長が電話した。

警察庁(菅) 様々、皆様から週刊誌報道等をご覧になって御指摘いただいているが、本件の内容について
は答えを差し控えている。

神本美恵子(民進) 週刊誌報道しかないから聞いている。

福島 菅さん、ちゃんと話してください。

仁比 もう一回だけ。組織的に検討して逮捕状を執行しないという結論を出したなら、現場が執行に臨むわけがないし、逮捕しなかったということについてこれほどの大問題になるわけがない。ところが、あなたの説明とは逆に、大問題になっている。それは、逮捕しないという方針が、少なくとも高輪署の現場の捜査員は全然かまずに行われたのではないか。

警察庁(宮島) 私は一般的にしかお答えできないが、事件指導の話なので、本部が警察署に事件を指導する。その結果、警察署と掛け合いをしながら、それでも組織であるので、最終的な一つの方針というものが警察であるから、最後は一つになっていくというイメージ。それが、時間的余裕を持ってできる場合と、できない場合がある。

有田 仁比さんがおかしいと言っているのは、執行しないという結論が出る場合は、事前に高輪署と打合せをしているでしょうと。いきなり「止めなさい」と来るわけがない。異例ではなく異常としか思えない。

警察庁(宮島) 事件指導の入るタイミングで、理想型というものが先生方の仰っているものがあるとすれば、全てが理想型で事件指導に入れるということとは必ずしもならないという現実はある。

準強姦事件は全て本部に報告されると、仰った。

警察庁(菅) 罪種で決まっているため、発生時点から、被疑者が分かるもの、分からないものも含めて。

そうすると、102 カ所ある警察署に対する事件指導、少なくとも本件に関しては、最初から警察本部に報告されていたということでよろしいか。

警察庁(菅) 本件がどうだったかということは差し控えるが、類型的に罪種として報告される。

TBS のワシントン支局長が被疑者であり、そういう案件が起きていたということは、当初から本部は知っていたということでよろしいか。

警察庁(菅) 類型的に報告はされている。どのような形で報告されたかについては、本件の中身に関わるので差し控える。

事件指導について、理想型のタイミングという話だが、それが先ほどの説明では 102 カ所ある警察署、そして本部は1。事件もいっぱいある。その中で、なかなか理想型の事件指導ができないという前提で話をされて、だから突然というような印象を与えているのかもしれないと。だから余計わからなくなる。当初から本部に被疑者がどういう人であるかを含めて報告をされていた。当初から事件指導が行われていたのではないか。

警察庁(宮島) 仰る通りで、犯罪の認知当初というのは証拠が非常に乏しい状態にある。この認知当初ですぐ通常逮捕ができるというのは、現実的に持ち帰る事件が多数ある。事件指導というのは、日々証拠は増えていくので、それをずっと本部が把握するのは難しいので、全く同じタイミングで全く同じ情報量を持つというのは現実問題、難しい。つまり本部が事件指導に入るタイミングというのが様々あり、事件指導がしっかりできる事件も当然あるが、事件指導がちょっと前後するということもある。つまり証拠関係は日々変わる。警察署が頑張って捜査をすればどんどん証拠が得られる。

前後することも、ベストのタイミングにならないこともあると。だから本件に関しては現場の捜査官が逮捕状を持って空港まで行って、被疑者を確認したけれども、その直前に逮捕するなという指導が来たということか。

警察庁(菅) 本件がどういうプロセスだったかということは答えを差し控えるが、逮捕状があろうとなかろうと、警察本部として話を聞いた時に、「それは逮捕すべきでない」と思えば、その旨、指導する。どんな局面であれ。そういう組織的な検討を経て、適正捜査を敢行するという努力をやっている。

本村伸子(共産) 準強姦罪の場合、逮捕状をずっと本部に報告していたと。逮捕状を取る時に本部の確認をするのか、という点。2 点目、捜査の報告書、経過文書はあると仰った。組織で判断するとのことだが、執行停止の時に誰かの印鑑が必要なのかという点。3 点目、1 回目の時に高井先生がどこかを区切って、刑事部長が関与した事件の数を教えて欲しいと仰っていたが、2015 年の高輪署の事件で刑事部長が逮捕状の執行をしないとした事件数を教えてほしい。4 点目、これも高井先生が仰っていたが、検察審査会の委員の男女別を最高裁にお願いしたい。

警察庁(菅) 逮捕状の請求をする、しないという判断について、警察署で担当している事件であれば警察署でするが、節目節目で本部にどこまで上げるかは事件の内容による。指導の濃淡の度合い、証拠関係の難しさなどによるので、具体的ケースによる。また、逮捕状を請求する時には担当者の印鑑はつくが、逮捕をしないということについて印鑑というのが・・・

福島 決裁文書があるでしょう。決裁文書の印鑑は誰ですか?

警察庁(菅) 本件についてのお尋ねであれば答えは差し控える。

福島 一般的には誰か?こういう場合。

警察庁(菅) 警察署の事件であれば警察署で必要な書類は作成する。

福島 この場合は中村刑事部長が決裁したと。彼ですか?

警察庁(菅) 警察本部の中では様々な事件で必要な報告が段階を追ってなされて、刑事部であれば刑事部長となる。

福島 ではこの決裁文書の印鑑は中村部長ということで良いか?

警察庁(菅) 本件についてどういう書類が作成されているかは答えを差し控える。

福島 これだけ疑義が言われているのだから、答えてください。つまり、この事件は、この事案がどうだという事実関係を聞いているのではない。ホテルがどうだったかということを聞いているのではない。警察内部でどのような手続きで誰が判断したか。公務員なんだから、誰がどういう責任で判断したか、言うべきではないか。刑事事件の中身について細かくやっているのではない。警察における手続きがどうだったかという客観的なことを聞いているのだから、それは答えてください。決裁文書の印鑑の最終決定権者の責任者が中村刑事部長ということで良いか?

警察庁(宮島) 警察署に対してどのような指導をするか、ということの最終責任者は、刑事部であれば刑事部長になる。その時に、警察署の指導というものが、たとえば急いでいる時は文書どうこうと言ってられないこともあるし、複雑なことであれば、わかりやすく整えるということもある。そういった組織としてひとつの方向性を見いださないといけない。この事件どうこうということではないが、我々警察というのは、逮捕してしまうと最初 48 時間与えられ、その間に送検しなさいと。送検されれば 20 日しかない。48 時間+20 日の間に公判が維持できるほどの証拠が集まるかという厳しい議論をしないといけない。安易に集まると考えてしまうようなことや、またはこれはそこまで行かないだろうということがあれば、仮にどのようなタイミングであっても逮捕状の執行をするというよりは、まだ任意捜査をすべきだという判断をするというのが我々は合理的な判断だと思う。

説明が合理的でない。最初から報告されているでしょう。被疑者も著名な人だし、官邸とも関係がある。事件指導が行われていたということでしょ。逮捕状が発布されていないならまだわかるが、そうやって重大案件ということで指導が入っていたにも関わらず逮捕状が発布されていた。でも空港まで捜査員が行って、いま逮捕というところで突然ストップがかけられた。全然それに対する合理的な説明になっていない。

警察庁(宮島) 仮に、ある事件について最初に報告をされたと。その時は証拠がないと。この時点で報告されても指導することは現実問題あまり多くない。

福島 先ほどの本村さんの質問に答えてもらってない。決裁文書があると菅さんが仰って、決裁文書の印鑑を押した最後の責任者は中村部長ということで良いか?

警察庁(菅) 本件でどういう書類が作成されたかは答えを差し控える。

福島 菅さんと宮島さんに申し上げたい。適正に行われたかどうかが疑われているわけで、あなたたちは悪いことをしているとも判断ミスだとも思ってないわけでしょう。なら検証が必要。これが強姦事件だったかどうかをいま議論しているのではない。警察で、どのような手続きを組織として行っていたかということ。

警察庁(菅) 一般論として警察は組織的に判断をしている。

福島 だから決裁権者は誰かと。最終決定権者は誰か。先ほど菅さんが決裁文書があると仰ったから。

警察庁(菅) 刑事手続きを踏んでいるので書類は作成している。書類の中身については、多分に事件の内容に関わるので、何が書かれているのか等については差し控える。

福島 何が書かれているかなんて聞いてない。誰か。高輪の署長なのか、中村刑事部長なのか。

警察庁(菅) 組織としてしかるべき判断をしているということ。

福島 それは誰か。適正かどうかを聞いている。では、決裁文書は何時に出ているのか。つまり、今は警察でやったことが正しかったかどうか、適正だったかどうかを検証している。それが正しいという立証を、警察はやってください。

警察庁(菅) 本件の経過を踏まえまして、中身については・・・

福島 プライバシーのことは聞いてない。何時に決裁文書が出て、決裁権者の最終責任者は誰か、という客観的なことを聞いている。

警察庁(菅) 本件の捜査過程に密接に関わるので答えを差し控えさせていただく。

福島 適正に行われたかどうかの判断ができない。

警察庁(宮島) 適正に行われたかどうか。それは今回、我々で言えば、公判請求や公判維持ができるほどの証拠関係が、逮捕状と今言われているが、そういった段階であった事件か、ということとほぼ同義ではないか。

福島 全然合理的でない。警察は逮捕令状を裁判所に出す時に書面を付けて、しかもこれはポッと出の事件でなく、長く任意捜査をやっていて、事実上、任意同行で取り調べをやっているではないか。

警察庁(菅) 個別の捜査過程について答えは控えているのだが、私は報道の中身をあまり論評したくないが、そういう報道はなかったと思う。

福島 ただ、逮捕令状を出す時は、上にも上げているわけで、逮捕令状を発布する根拠があると思って警察は出しているわけですよね。

警察庁(宮島) 証拠というのは、時系列があって、この時点よりも減らない。つまり、この時点で逮捕すべきでなかったかという議論かと思うが、その時点から、例えば送致の時点。この2つを比べた時に、この逮捕をしたらどうかと言われているタイミングと、事件送致のタイミングを比べたら、事件送致のタイミングの証拠の方が多。これは論理必然。論理必然で、事件送致の時のタイミングの証拠関係の方が多いのに。これは警察の独断ではない。要は検察庁の目から見ても、検察審査会から見ても、そうした証拠関係としてこれが公判請求、公判維持ができるようなものか、という視点がある。

福島 23 日かけて起訴するか不起訴にするかを検察官が決める。その時に公判を維持できるかを判断するわけで、今日の逮捕令状の話と、公判を維持できるかという話を言うのも全く納得できない。

警察庁(宮島) 警察は、逮捕をして、公判を維持できるほどの証拠が集まる見込みがあるかというのを当然考えます。

福島 それは逮捕令状を請求する時点で、公判を維持できるかどうかは起訴の段階で判断するのであって、逮捕令状を請求する時は逮捕の必要性があるかどうかを判断しているわけでしょう。

警察庁(宮島) それは裁判官はもちろんその通り。ただ逮捕してしまえば、48 時間+20 日しか警察にはない。この間に追加的証拠が得られなければ起訴されない。起訴されなければ事件は潰れたり、被疑者の人権という問題も出てくる。

杉尾 一般的に聞きたい。逮捕状を請求して、逮捕状が出るのに十分な証拠が揃ったということで、請求した。裁判官が発布した。だけど、その後証拠を検討してみたら、公判を維持できそうにない。もしくは起訴できそうにないから、その逮捕状は請求してみたけど、その後の証拠関係を精査して、しかも現場に行って止めるということはこれまであったのか。現場まで持っていった後で止めている。

警察庁(菅) 仰っているのは、現場まで持って行っているのだから、証拠関係がたとえ十分でなくても使ってしまった方が良いと。

杉尾 違う。そんなことは聞いてない。これまでそういうことがあったのかと聞いている。普通、証拠が揃っているから逮捕状を請求する。逮捕状は 99.9%出ている。

警察庁(宮島) 例えば、先生方がご存知かどうかわからないが、ガサ先行というような捜査手法がある。

杉尾 知ってる。当たり前。

警察庁(宮島) ガサ状と逮捕状、両方いっぺんに請求して・・・

杉尾 そういう一般的なことを聞いているのではなく、本件のようなケースについて聞いている。

福島 こういうケースはあるのか。逮捕令状を請求して、発布して、現場まで行って、そこで証拠が薄いから止めるということは。

杉尾 前回仰ったのは、「僕もある。逮捕状を捜査員が持って一緒に張り込んだが被疑者が来なかったから止めた。そういうことはある」。たとえば何人かを逮捕するはずが揃わなかったケース、事情を聞いたら齟齬があったというケース。今回のケースは根本的に全然違う。

警察庁(宮島) 先ほど申し上げたガサ先行という捜査手法は、ガサ状と逮捕状を両方請求して発布を受け、ガサを先行して、良い証拠があれば逮捕。

福島 今回はそういうケースではない。今回はガサ、捜索令状が先行しているケースではないでしょう。

警察庁(宮島) そういうことを申し上げているのではなく、例えばの話だが、被疑者の居宅にガサをする、被疑者がそこにいて、刑事のポケットの中には逮捕状が入っている・・・

福島 宮島さん、その説明を今するのは不必要。そういう事案でないから。私たちは、ガサ令状と逮捕令状があってガサやったけど出て来なかったから逮捕しなかったという例や、逮捕状はあったけど本人が来なかったからできなかったという例があることは理解している。いま問題にしているのは、逮捕令状もあって本人もいるのに、現場で取り消されるというケースがあるのかと聞いている。

警察庁(宮島) ガサ先行なら本人が目の前にいたとしても・・・

福島 違う違う。このケースはガサ先行の事案じゃない。ガサ令状の例は除いて、こういうケースはあるのか?

警察庁(宮島) 我々が申し上げているのは、被疑者の目の前にいる刑事の胸ポケットに逮捕状があるのに執行しなかったケースを申し上げたつもり。

福島 ガサが先行している場合以外で、こういうケースはあるのかと。つまり現場まで行っていて、刑事部長の決裁でということは。

警察庁(菅) 事件の内容は様々あり、警察は組織として判断しているので、様々なものがある。なので、逮捕状があっても使わずに逮捕をいったん見送って、でももう一回調べて逮捕にチャレンジするという事案もあるので、内容によりけり。今回のケースは色々週刊誌報道されていて、あり得ないことだ、と仰っているが、捜査はいろいろあるので、あり得ないと言うと・・・

本村 さっきの 3 番と 4 番の答えをまだもらってない。2015 年の高輪署の事件で警視庁の刑事部長が逮捕状を執行しないと決めた件数。

警察庁(宮島) 本件の経過に鑑みて、私どもは改めて追加の調査は考えていないので、そういったものは承知していない。

本村 今回の件でなく、一般論として知りたい。一般論として高輪署はどうなっているのか。

これ、こないだオーダーしているけども今日、一切何も持って来てないということなので、次回までにもう一回宿題としてお願いしたい。期限を区切った方が答えやすいというなら、2015 年と区切ってしまうと、本件に関わって答えられないというなら、2015、2016 でも、2014~2016 でも良い。答えないというのは申し訳ないが、認められない。先程来、福島先生が仰っているように、最も大きい公権力が適正に行われたのか否かという我々の検証。その事件そのものではない。事件の事実がどうであったかということを問題にしようとしているのではない。公権力の行使は適正に行われたのか。本当は行われるべきだったのに、途中でおかしな力が働いて、本来行使されるべき公権力がいきなり止められてしまうという、重要な問題。だから検証している。個別の案件だから答えられないという話は止めてください。きちんとあなたたちが何の問題もない、適正に執行されたと、それに対して誰も納得してない。しっかりと我々が納得できるような説明をきちっと準備してきてください。で、次に最高裁、検察審査会について。

最高裁(福島) 本件の検察審査員 11 名の男女比ということだが、東京第 6 検審において、すでに同様の問合せを受けて回答をしているということで、回答内容を聞いてきた。本件 11 名の男女比は男性 7、女性 4 とのこと。

他にこの件について説明できることは。発表されているもので結構。

最高裁(福島) 今と同様の話になるが、本件の検察審査員 11 名の平均年齢も同様にすでに回答しているとのことなので聞いてきた。平均年齢は 50.45 歳であると。以上。

他にないということであれば、私から検審について質問。11 人の検察審査員を選ぶくじ引きソフトは変えたのか?

最高裁(福島) ソフト自体は改修していないが、その作業を行う際は検察審査会の事務局あるいは各市町村の選挙管理委員会が作業することになる。その際はダブルチェック等を行い、くれぐれも間違いがないように注意喚起をしている。

今の質問はつまり、くじ引きソフトというのがあり、検察審査員を候補者の中から任意に選べる。この人は審査員にしたくないとか、こういう年齢構成、男女比にしたとか、恣意的なことで選ばれるのではなく、極めて公正に選ばれるソフトでやっているということだったのだが、結局そのくじ引きソフトが、チェックを入れると、審査員に選びたくない人を排除できる。そういうデタラメなソフトだった。これはすでに国会で証明済み。我々、デモンストレーションまでしてもらって、証明済み。今の説明は、その説明自体は改修してないと。相変わらず捜査を誤れば、欠格事由以外のことで候補となっている有権者名簿からやるのだが、そこから排除できる。ある一定の傾向を持つ人だけを審査員を選ぶことは可能だという欠陥のあるソフトである。
もう一つ、捜査報告書。捜査報告書をデタラメなものを送ったと。実際に行われてもいない調書。全く事実とは似ても似つかわない、作文なんてものじゃない調書を使って、捜査報告書が作られ、それが検審に送られていたということがかつてあった。今回、検察が捜査報告書を送ったのか?

法務省 指摘については、検察審査会において、検討の対象とする資料についてのお尋ねだと。検察審査会法に基づいて、検察官は検察審査会の要望があるときは審査に必要な資料を提出する、通常は捜査記録になると思うが、通常は提出していると思われます。

有田 今のに追加して質問。11 人の男女比と平均年齢についてはいま聞いたが、この件で審議に要した時間はどのくらいだったか。また、不起訴にした理由について、審査員の人は口頭で聞くのか、文書で聞くのか。

最高裁(福島) 審査期間ということだが、報道されているが、申し立て日が平成 29 年 5 月 29 日、議決日が同年 9 月 21 日と承知しているので、その間、審査期間としては 3 ヶ月と 24 日となる。

有田 ただ、毎日やっているわけではない。

最高裁(福島) 具体的に本件の審査のために会議を何回開催したかという点については、検察審査会法26 条で検察審査会議は公開しないとなっているので、個別具体的な事件についての審査の中身については答えは差し控えさせてもらう。

有田 会議に出ている時に、こういう結論にしたと発表があるのか。

最高裁(福島) 検察審査会での議決の仕方ということだと、検察審査員は 11 名いる。議長である検察審査会長。会長といっても 11 名の中から互選で選ばれることになっているが、その会長の進行により議論し、最終的には 11 人の多数決で決めるということ。

有田 その時に文書は作られないのか?不起訴にしたという。

最高裁(福島) 議決をした時は、議決書を作成するということになっている。この議決書については、その謄本が管轄の地方検察庁の検事正、検察官適格審査会に送付するとなっている。

有田 つまり結論だけ言うが、要するにこれだけ国民的な、社会的な問題になっているにも関わらず、ほとんどわからない。どういう議論になったかわからないまま、こういう結論になりましたと、法務省の前に紙 1 枚貼られるだけ。それでは色んな誤解が生まれる。誤解を生まない説明はもっとできるはず。

田村 警察庁に確認。冒頭で、宿題ということで逮捕状を執行しなかったことについての文書は各都道府県の判断で保管をされているということだったが、それはつまり捜査の一連の結論として、逮捕しなかったという捜査文書なのではないか。私たちが聞いているのは、組織的な判断によって逮捕しなかった。ずっと聞いていると、事件指導という形で警察庁が組織的な判断をした。それを高輪署に伝えた。警察庁の中でその組織的な判断、事件指導をするにあたっての文書というのは保管しているのか。その組織的な判断の中に高輪署は入っているのか。警察庁の中の組織的な判断なのか。事件指導として止めたという説明に聞こえる。案件はずっと上がっていたが、案件がいっぱいあって、事件指導をするタイミングが遅れて、逮捕執行の直前になってしまったと。その時になって、警察庁が事件指導を行った結果、逮捕しないということになったという説明に聞こえた。そうすると、高輪署というのは、その組織的な判断の機関の一員になっていないのではないかと。なぜなら高輪署は逮捕するつもりだったから。では、組織的な判断というのは、どこの中の機関で行われたもので、その組織的判断の文書はどこでどのように残されているのか。

警察庁(菅) 一般論になるが、まず警察庁でなく警視庁であり、東京の警察。私たちは警察庁なので国の機関ということになる。高輪署であれば書類は高輪署に残る。

田村 警察本部の事件指導というのは、どこにあるのか。

警察庁(菅) 警視庁。

田村 そうすると、警視庁の中に、組織的判断の文書が残っているということか。

警察庁(菅) 必要な報告文書等はそれぞれの規定に則って保管されている。

田村 その組織的な判断というのは、逮捕しようとしているわけだから、事件指導としての組織的判断の文書が警視庁にあると。

警察庁(菅) 高輪署が外されていて意思決定に関わっていないかのような質問をされているが、本件の内容については差し控えるが、テレビドラマとかで署の事件に本部が乗り込んできて事件が取られた、とかいうのがあるが、あれは違う。

山井和則(希望) 2 点、聞きたい。答えにくいかもしれないが、検察審査会で、例えば詩織さんがホテルでタクシーを降りてから引きずられていって連れられていった映像があると承知しているが、そういった映像は検察審査会の審査員は見たのか。そこは非常に重要。実態を知った上で結論が出されたのか、そういう一番重要な証拠は見てないということなのか。かなり重要だと思うので答えて欲しい。
また、杉尾さんの質問と一緒だが、本人目の前で逮捕状が出ていながら、刑事部長の指示によって執行が停止されたケースが一般論として過去 5 年間に何件あったのか。今回の件とは関係なく。一般論で。

最高裁 検察審査会は非公開とされており、個々の事件でどんな証拠を確認してどんな議論がされたのかというのは私自身も知る立場にないので答えは差し控える。

警察庁(菅) 警察庁にお尋ねいただいた点、警察庁としては把握してない。都道府県警察においても刑事部長ないしは警察本部の指導によって逮捕状の執行をしなかったという事例について整理蓄積されているわけではないので、そういったものを調べるのは困難。
また、繰り返しになるが、本件に関しては警察が捜査をして検察で不起訴になり、検察審査会でも不起訴相当になっている。こういった過程を踏まえて、警察としては本件に関して追加的な調査をするということは考えていない。

山井 件数は把握してないと言うが、これは深刻な問題。なぜなのだという謎が解けないし納得できない。証明責任はそちらにある。あえていえば、件数は把握してなくても、刑事部長が逮捕執行直前に止めるというケースがしばしばあるのか。

警察庁(菅) 刑事部長がというお尋ねだが、私たちは組織として判断している。それぞれの判断において逮捕状を持っていたり逮捕状を請求したりするものを、止めることはある。

こないだからの宿題なので、もう一度整理するが、期間を区切らないと、これに関わるから答えられないという話になるので。過去 5 年というとちょっと長くて書類の保管がどうこうという話になるので、過去 3 年。逮捕状が直前で執行停止になった案件は警視庁において過去 3 年間で何件あるのか。決裁文書は残っているということは認めたのだから、その決裁文書を探してもらえれば何件あるかは、しょっちゅうあるわけではないと思うので、発見できると思う。財務省のように破棄しているのではないのだから、次回ご報告いただきたい。次回までに必ず。決裁文書はある、書類は残っているということなので、お答えいただきたい。

警察庁(菅) 繰り返しになるが、お調べして回答することは困難。

何を言っているのか。我々がお願いしている。やってください。次回、警察庁・法務省・最高裁の皆さんにもおいでいただき、当事者にも来ていただく二部構成にしたい。
先ほどの山井先生の検察審査会についての質問だが、要はどういう証拠を基に検審が議論したのか。これは密室でわからない。たまたま小沢一郎、我が党の代表の問題の時は、検審に提出された捜査報告書がインターネット上に流出して、それが実際に行われた取り調べとは全く事実と異なる創作されたものが捜査報告書として、上の決裁も得た上で検察審査会に提出され、それを基に審議がされていたというのが明るみになった。これで大問題になって、その問題についての検証委員会、対策が行われた。これは大変な問題。密室になって、少なくともどんな証拠が検審の対象になったのかくらいは公開してもらわないと、とんでもないもので起訴議決が行われるという場合もある。最後に神本先生。

神本美恵子(民進) ここでの話は公権力の行使が適正であったかどうかを、週刊誌や新聞報道でしか見ていないので、何が起きているかわからない。それは週刊誌報道だからわかりませんという返答しかないので、それでは私たちは役割を果たせない。1 つ聞きたいのは、逮捕令状は誰の責任で請求するのか。

警察庁(宮島) 逮捕状の請求自体は指定された司法警察員が請求をすることができるが、内部的に請求していて署長まで上げることが一般的。そのいとまがないという時は事後的に署長に報告するというのが通常。

神本 たとえば今回は高輪署長が請求したのか。

警察庁(宮島) 個別の案件については答えを控えさせていただいている。

神本 今回聞いているのは、決裁文書はある、と。逮捕状の執行をしないという決裁をしたのは誰かと聞いても、仰らない。週刊誌では刑事部長となっているが。これも、執行しないという決裁をするのだったら、組織的な判断でも、どんな組織でも最終的には責任者がいるわけだから、その人が判子を押すなりするはず。それを一般的にはどうなのかとずっと聞いている。答えるべきだと思う。

警察庁(菅) 逮捕状を執行しないという決定は警察官がするものではない。逮捕しないということはあるが、警察が意思決定をして逮捕状の効果をなくすということは手続きとないので、そこは申し上げておく。

神本 組織的に判断すると先ほど仰ったが。

警察庁(菅) 逮捕する、しないということについて、組織の段階を追って、報告をして意思決定をしていくということ。

神本 意思決定をして、決裁を誰かがするわけでしょう。

警察庁(菅) 個別の案件についてどういう書類が残っているかは答えを差し控えるが、捜査の過程がわかるように書類を作っている。

神本 個別の案件ではなく、一般的にどういう手続きをするのかを知りたい。そして、この案件が適正だったのかを聞きたい。

警察庁(宮島) 手続きが適正だったかという議論は、内部的なやりとりが手続きといって、法令に定められている手続きとはやや性質が違う。他方、それによって作り出された捜査結果、その後の経緯を鑑みれば、一般論としては、捜査結果が 2 つの視点ですでに準備されてご評価いただいたいているのではないかと。つまり証拠関係がどういうものであるのかということを、既に 2 つの機関というのは見る仕組みになっている。

神本 検察審査会もそうだが、警察も、小沢先生の場合、村木さんのこともあった。密室で行われているために、私たちにわからない。何が正しいのかわからない。今回の問題も、警察庁が指導するのなら、警視庁なり所轄でどういう手続きで逮捕を取りやめることになったのかということを知らないと冤罪や、その逆の今回のような例も納得できない。そこをなぜ言わないのか。今の説明では納得できない。国民を納得させないといけない。

先生方からも、答えていただきたい質問を通告させていただいた上で、次回、お越しいただくことになる。

警察庁(菅) 場合によってはお答えできないこともある。

国家戦略特区と一緒。一点の曇りもないと繰り返し言っても、誰も信用しない。一点の曇りもないと説明したところで、どう考えたっておかしいから。国民に見えていることは。警察だから特別というわけにはいかない。最も重大な国家権力を行使する機関なのだから。また、検察審査会事務局も、次回はもう少し発表できるものがあったら準備しておいて欲しい。

第 2 回終了



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