【自民系地方議員の横暴】自民会派政活費返還請求訴訟 富山市側は争う姿勢

自民会派政活費返還請求訴訟

五本幸正市議が支出した政務活動費に違法なものがあるとして、市民団体「市民が主人公の富山市政をつくる会」が返還を求めている裁判の第2回口頭弁論が15日、富山地裁であり、富山市側は「不正ではない」と主張し、争う姿勢を示した。

「市民が主人公の富山市政をつくる会」は、自民党会派の五本幸正市議が2012年度と2013年度に政務活動費から支出した資料の印刷代3件、合わせて61万円あまりが違法な支出であるとして、富山市の森市長を相手に、会派に返還を求めるよう訴えている。

住民訴訟(地方自治法242条の2)のうち、普通地方公共団体の職員などに対する損害賠償請求や不当利得返還請求をすることを普通地方公共団体の執行機関または職員に対して求める請求(4号訴訟:第1項第4号)は、平成14年改正により義務付け訴訟の形に変更された。実際に支出をした個人ではなく、違法な財務会計行為に係る是正権限を有する行政庁(知事や市長など)を被告として、「●●に対して返還請求をせよ」という判決を求める訴訟となった。
なお、第1回口頭弁論では、被告側代理人が、請求の棄却を求めるにとどまっていた。

富山市議会の政活費不正問題

14人が議員辞職

2016年、地元チューリップテレビや北日本新聞の報道によって、政活費の不正支出や、議員報酬引上条例(月額10万円増)成立の強引な手法が明るみになった。

“保守王国”と呼ばれる富山で、自民党の影響力は大きく、勇気ある報道と称された(一連の報道で、チューリップテレビが日本記者クラブ特別賞、日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞、民間放送連盟優秀賞(テレビ番組報道部門)、菊池寛賞など、北日本新聞は新聞協会賞、JCJ賞を受賞した)。

実際に、市議会自民党会派会長、中川勇氏による「取材妨害事件」が発生している。この事件は、議員控室で、議員報酬引上条例について取材していた女性記者を怒鳴り、押し倒した上で取材メモを奪ったもの。

(参照:毎日新聞「富山市議取材妨害
「メモ取り上げ、報道の自由侵害」」https://mainichi.jp/articles/20160704/ddm/004/040/079000c

nippon.com「14人が辞職した富山市議会:地方メディア記者たちの闘い」https://www.nippon.com/ja/currents/d00369/

なお、中川氏は後日、白紙領収書の束を使用し政活費を不正に得ていたことを認め議員辞職した。


最終的に、不正に受給していた14人もの議員が相次いで辞職に追い込まれた。

2017年4月の選挙では、不正に関わりながら立候補した9人のうち3人が落選する結果となった。また自民党は、12人が辞職するまで追い込まれたが、結局過半数維持に成功した(新人を含めて27人を公認。不正発覚前より6議席減。)。(不正分を返還し、議員辞職をせずに選挙に臨んだ自民7人と民進1人の計8人のうちでは、自民2人が落選した。)

(参照:毎日新聞「富山市議選 政活費不正の議員、9人中3人落選」https://mainichi.jp/senkyo/articles/20170417/k00/00e/040/203000c

市民団体による動き

市民団体は監査請求を活発的に行った。

監査委が返還を求めるよう市長に勧告し、実際に返還された額は、約4477万円。(参照:産経新聞「富山市議会の自民会派、政活費196万円を返還 市監査委「後援会活動への支出」と指摘」http://www.sankei.com/west/news/170926/wst1709260077-n1.html

しかし、監査委が不正と認めないものもある。本訴訟、五本幸正市議についての住民訴訟もそのうちの一つ。

(先後関係では、全会派の不正を指摘する「市民オンブズ富山」による住民訴訟が先行している。参照:産経新聞「富山市議会政活費不正、NPOが約2千万円返還求め提訴」http://www.sankei.com/west/news/170719/wst1707190086-n1.html

本件訴訟 五本幸正市議に関する動き

「市民が主人公の富山市政をつくる会」は、2017年7月、2011年からの4年間に自民党会派が支出した政務活動費609万円あまりが違法または不当な支出だとして、返還を求める住民監査請求を実施したが、監査委が返還対象と認めたのは189万円あまりだった。

監査請求したのは、自民会派7人(現職4人元職3人)の2011年8月から15年8月までの25件609万1947円分(1部返金済)。市政報告会資料印刷代の領収書の日付(13年2月21日)よりも未来の新聞記事(同年2月21日付)が印刷物の記事中に掲載されていたり、11年11月、12年3月、13年3月の領収書が同一会社のもので連番になっているなど「明らかに白紙領収書を使ったのではないかと疑いがもたれるようなもの」(高野氏)を選定しています。

日本共産党富山県委員会トピックス「自民富山市議の政活費不正 「市民の会」が住民監査請求」http://toyama.jcpweb.net/2017-0719-114533.html

本件訴訟は、この結果を不服として提起された。そして、監査で「正当な支出」とされた部分のうち、五本市議が2013年2月から4月にかけて支出した、資料の印刷代3件、合わせて61万円あまりの返還に絞った。

「市民が主人公の富山市政をつくる会」は、情報公開請求に対して監査委員会が開示した資料をみると、五本市議の言い分を確認したに過ぎないものが監査の唯一の根拠になっているとみられ、「具体的な根拠や裏づけが乏しい」としている。



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