日テレ Amazonドラマ・チェイスに抗議 「直ちに想起させる内容」

日本テレビも抗議

日本テレビは2日、Amazonプライム・ビデオで配信されているドラマ「チェイス」について、配信元のアマゾンジャパンと、制作会社のジョーカーフィルムズに文書で抗議したと発表した。文書は1月30日付けで郵送したという。

日本テレビは、日本テレビ報道局が09年7月に放送したNNNドキュメント「足利事件・暴かれた冤罪」と10年11月放送「検察…もう一つの疑惑」などを含む「北関東連続女児殺害・行方不明事件」のキャンペーン報道を、「チェイス」が「直ちに想起させる内容」であると指摘。

「本ドラマ制作にあたり両社および本ドラマ関係者から、当報道局には一切の相談・通知」がなかった。「本件報道のドラマ化につきましては、これまでに社の内外から数多くの企画提案がありましたが、事件の被害者であるご遺族の感情などに配慮し、当報道局は慎重を期してまいりました」と説明している。

そして、「チェイス」が「当報道局はもとより被害者遺族への連絡・取材なども一切無く、事件被害者らの描写について多くの点で本件報道と類似点のある内容で制作・配信されたもの」とし、事件遺族への配慮という倫理的な問題と、ドキュメンタリー作品が持つ著作権の問題などに抵触することから「強く抗議の意を申し入れた」としている。

最新話配信されず

「チェイス」は、毎週金曜日に最新話が配信されるが、先月26日金曜日、最新話(第7話・第1章最終話)の配信はされなかった。この件に関して、アマゾン側・製作側の公式発表は出ていないが、ORICON NEWSによると、「現時点では下記の回答しか差し上げることができない旨、ご了承ください。『チェイス第1章』の7話は現在一時的に視聴いただけません。7話は後日配信の予定です」と回答があったとのこと。

新潮社の申し入れ

新潮社は18日、Amazonプライム・ビデオで配信中の「チェイス」について、配信元のアマゾンジャパンと製作会社のJokerFilmsに対して、配信を即時中止するよう、ジャーナリストの清水潔氏とともに17日付で書面で申し入れたと発表した。(http://www.shinchosha.co.jp/news/article/910/

当サイトでも指摘してきたが、チェイスは、清水氏のノンフィクション作品『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』と酷似した内容となっている。

さらに、遺族感情を無視して映像化した点も問題である。

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このようななか、19日金曜日は、予定通りに第6話を配信した。

「殺人犯はそこにいる」あらすじ

清水氏ら日テレ取材班による「足利事件」の取材をまとめたもの。

1、日テレ番組取材班として菅家さん逮捕から16年後に取材開始。
2、事件の裁判記録などを元に当時の捜査を検証。
3、収監されている菅家さんの支援者を訪ね、ビデオなどを確認。
4、当時の目撃者を取材し、絵を描いてもらう。
5、何度も断られながらも、清水氏の誠意ある行動に遺族が取材を受け入れる。
6、菅家さん逮捕のきっかけとなった被害者の遺族は、警察から何の説明も受けておらず、清水氏が遺体遺棄現場に案内する。
7、菅家さんの再審請求が棄却される。
8、遺族たちが集まって会見し、捜査への疑問や菅家さんの無実を訴える。
9、番組内で最新のDNA型鑑定の方法を報道する。

日本テレビの報道特別番組『ACTION』や『バンキシャ!』で、「4件の誘拐殺人事件に加え、1996年に起きた太田市の女児連れ去り事件は連続事件なのではないか」とする観点から2007年1月から報道を続けた。同番組では、足利事件の被疑者とされていた菅家利和が1991年に逮捕されて身柄拘束中であるにも拘らず、その5年後に類似事件である「太田市パチンコ店女児連れ去り事件」が発生したことから、「足利事件の解決」が不自然であるとし逮捕された菅家は冤罪の可能性があるとしてキャンペーン報道を展開。DNA型再鑑定の必要性を訴え続けた

10、番組への反響からか、東京高裁がDNA型再鑑定を決定、鑑定で不一致となる。
11、検察が被害者遺族に謝罪、その時の様子を遺族が語る。
12、菅家さんが刑務所から釈放。出所する際の車両は清水氏が手配し同乗する。
13、菅家さんに対して国が謝罪。
14、取材の目的は菅家さんの釈放ではなく、真犯人逮捕なので、独自の検証を続ける。
15、清水氏自ら真犯人を探して見つけ、警察に証拠を渡すも逮捕されず。
16、清水氏は、犯人が逮捕されないことを科警研の謎とみる。
17、番組内で真犯人に突撃取材する。

遺族感情無視

共同プロデューサーで弁護士の四宮氏は、盗作疑惑報道後にTwitter上で「殺人犯はそこにいる」を読んだことがあると述べた。

「殺人犯はそこにいる」には、遺族とのやり取りが詳しく記されている。これを読んでいたなら、遺族の感情を無視することはできないはずである。



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