消費者庁が注意喚起 在宅ワーク勧誘し高額請求【ソーシャルネット・スマートプラン2社の行為を確認】

「在宅ワーク」にご注意

消費者庁と島根県が合同で調査を行ったところ、「株式会社Social Net」
(「ソーシャルネット」)又は「株式会社Smart Plan」(「スマートプラン」)との取引において、消費者の利益を不当に害するおそれのある行為(不実のことを告げること)を確認したため、消費者庁は、消費者安全法第 38 条第1項の規定に基づき、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表し、消費者に注意を呼びかけた。

発表内容

2社の概要

・株式会社Social Net
東京都港区六本木7-7-7-8F
代表者 冨樫 義男
http://so-cial-net.com/

・株式会社Smart Plan
東京都中央区銀座1-13-1-4F
代表者 稲葉 真治
http://smart-plan-jp.com/

具体的な事例の概要

(1) ウェブサイトで勧誘します。

2社はそれぞれ、インターネット上に開設したウェブサイトにおいて

「手軽に在宅・副業!誰でもすぐに収入UP!」
「スマホから業務に参加できるので家でも外出先でも業務可能です!」
「初心者大歓迎!年齢、性別も不問です!特別なスキルも一切不要!」
「報酬は業務終了後、最短で即日入金が可能になりました。」
「少しでも困ったことがあったら、直ぐに電話でサポート致します!」

などと記載し、好条件で在宅ワークをあっせんできるとうたい、消費者を勧誘します。

(2) 研修を通じて、消費者を稼げる気にさせます

2社の担当者は、各ウェブサイトから在宅ワークを希望してきた消費者に連絡し、個人情報の登録に必要などと称して免許証などの顔写真付きの身分証明書をFAXなどで送信させた後、最初に研修を実施して在宅ワークに対する適性を判断するとして、消費者に在宅ワークのキャッチコピー等の文章を作成させ、担当者宛てにメールで送信させます。

その後、2社の担当者は、消費者が作成したキャッチコピー等の反響が大きいと見せかけるため、消費者に対し、当該キャッチコピー等を掲載したメールマガジン(以下「メルマガ」といいます。)の登録者数が確認できるURLをメール送信するなどして、あたかも多くの人が当該キャッチコピー等に関心を示しているかのように思わせ、在宅ワークで稼げる気にさせます。
なお、研修は3日程度実施されますが、研修を実施しない場合や研修の日数を短縮することもあります。

(3) 契約時になって突然、ホームページの作成費用として高額な初期費用を請求します

2社は、研修の後、消費者に対し、本採用になったことを告げ、この時に初めて、在宅ワークを始めるためには、2社が消費者に提供する専用のウェブサイト(以下「ホームページ」といいます。)の制作、管理などの初期費用として、約 50 万円を支払う必要があると説明します。

消費者が支払をちゅうちょしたり、拒んだりすると、2社の担当者は、

「メルマガ収入は一人増えるごとに 324 円入ります。」
「月々300万円以上稼げる人もいるので、あなたもそれだけ稼いでもらいたい。」
「あなたなら1か月で 60 万円ぐらいは稼げるから、14 日間もやれば元が取れます。」
「ホームページで商材が売れたら、1個当たり2万 4300 円の収入になります。」
「会社で何割か負担できますが、どのくらい出せますか。」
「30 日間で売上が出なかった場合は、支払った代金を返納します。」

などと事業の実体がないにもかかわらず、消費者に都合の良いことを告げて、初期費用を支払うよう説き伏せます。

この求めに応じて初期費用を2社の指定した金融機関の口座に振り込んだ消費者に、その振込明細書の写しをメールで送信させて支払を確認した後、コンビニ等のFAXによりホームページ制作のための申込書、返金保証をうたった保証書及び契約書を送付します。

消費者は、これらの書類を受領後、ホームページ制作のための申込書に必要事項を記入し、契約書に署名押印して、これらをFAXで2社に送付することにより契約を取り交わします。

その後、2社は研修を実施した消費者に対して、報酬として数千円を支払います。また、在宅ワークを始めた消費者には、当初、在宅ワークの報酬として1日当たり数千円を数回支払って、消費者を安心させますが、その後支払がなくなります。

なお、2社は、消費者に対し、契約を取り交わす際に、在宅ワークの報酬について、前記のような話をして、ホームページを通じたメルマガ登録者数に応じた対価及びホームページで販売する商材の売上に対する対価が消費者の報酬になる旨を説明し、また、契約の取り交わし後に、ホームページの制作が完了したこと及び当該ホームページの閲覧者数が表示される管理画面のURLについて通知します。

(4) ホームページの改良の名目で、高額な追加費用を請求します

2社は、前記(3)の初期費用を支払って在宅ワークの契約をした消費者に対し、その数日後、

「あなたのホームページにアクセスが集中していて、サイトに入れない人がいる。もう少しホームページを広げてみませんか。」
「アクセスが集中して起動が遅くなっているので、この問題を解消する必要があります。」
「ホームページのアクセスが増えているが、クレジット決済ができない状態なので、サーバーを改良した方がいい。アクセス数も2倍になるし、商材の購入者も増えるので、今よりも稼げる。」

などと告げて、サーバー増設やクレジット決済機能追加等のホームページの改良の名目で追加費用を支払うよう説き伏せます。

追加費用の支払をちゅうちょしたり、拒んだりする消費者には、

「お金を貸してくれるところを紹介します。」
「追加費用の何割かは当社で負担します。」
「売上げに納得しなかった場合は返金します。」

などと告げて、追加費用の支払を求めます。
また、追加費用を負担した消費者に対しても「ホームページの改良には 500 万円かかっているので、銀行からお金を借りて追加で支払ってほしい。」「会社の運営に困っているので、協力してほしい。」などと告げて、金融機関等で借金をしてお金を支払うよう求めてきます。

合同調査の実施

2社の行為によって消費者被害が急速に拡大していることを踏まえ、消費者の皆様に早期に注意喚起を行う必要があったことから、消費者庁は、住民に被害が及んでいる島根県と協力して迅速かつ効率的に調査を行いました。

合同調査によって確認された事実

○ 2社は、ウェブサイトや契約書に、それぞれ所在地を記載していますが、当該各所在地に2社の事務所は存在しておらず、商業登記も行われていませんでした。

2社がウェブサイトや契約書に記載していた電話番号の契約者は、いずれも2社と類似した名称の別の事業者(以下「類似2社」といいます。)でした

○ 当庁が確認した2社の複数の入金口座の名義人も、それぞれ前記電話番号の契約者と同じ類似2社で、既に凍結などの措置が採られている口座がいくつかありました。

〇 2社がウェブサイトや契約書に記載していた各所在地はバーチャルオフィス(貸し事務所)ですが、当該各バーチャルオフィスの利用契約者は類似2社であり、類似2社は当該各バーチャルオフィスに届いた郵便物の転送先として別のバーチャルオフィスを指定していました。

○ 2社が作成しているホームページは、いずれも商材の販売を行っているように見えますが、メルマガに関する記載はなく、ホームページを閲覧した者が実際にメルマガ登録を行うことができるか判然としません。また、当庁が確認した限りでは、消費者が作成して2社に送付したキャッチコピー等は、ホームページに掲載されていません。

○ 2社に対して、各ウェブサイトに記載の電話番号に連絡したところ、その電話に応答する2社の担当者を名のる者は、当庁職員に居所などは一切明かさず、また、各所在地のバーチャルオフィスにあっては、既にバーチャルオフィス契約が終了していたり、報告を求める文書を発送しても全く返答がなかったりと、事業の実体はないものと考えられます。

〇 類似2社は、いずれも法人登記された会社であるものの、その各本店所在地で事業を行っている形跡がなく、報告を求める文書を発送しても全く返答がないことなどから、その事業の内容は判然としませんでした。

〇 前記のとおり、2社の手口は酷似していることに加え、2社が消費者と取り交わしている契約書等の文書の内容も酷似しています。また、2社の手口は、当庁が平成 28 年4月 22 日及び同年 11 月 18 日に注意喚起を行った各在宅ワーク事業者の手口とも共通しており、2社の行為には同一の者が関与している可能性があり、今後も事業者名を変えて同様の手口で消費者被害を引き起こす蓋然性が高いと考えられます。

○ なお、2社と類似2社との関係は、現在判然としていません。

消費者庁から皆様へのアドバイス

○ 在宅ワークに関し、多額のお金が必要になることをあらかじめ明示せず、契約時や契約後に突然、多額のお金の支払を求める事業者には十分注意し、お金を支払う前に費用の内訳やその適否を書面でしっかり確認しましょう。また、在宅ワークを申し込む時に、今後お金が必要になるかどうかを確認し、もし必要になるということであれば、どれぐらいの金額で何のために必要になるのかを確認することが重要です。

○ 将来の利益を保証したり、返金保証をうたったりして、それを前提に多額のお金を支払わせようとする事業者には十分注意し、お金を支払う前に、報酬規定や保証の前提条件、例外規定などを書面でしっかり確認しましょう。

○ キャッチコピー等の文章を作成する在宅ワークでは、自分の作成した文章がどこに掲載されるのか事業者に確認し、事業者の説明どおりに掲載されるかどうかをしっかり検証しましょう。また、自分の作成した文章が公開されていなかったり、簡単にアクセスできないようなURLに公開されていたりする場合は十分注意しましょう。

○ 免許証などの顔写真付きの身分証明書を事業者に送信すると、送信先の事業者に悪用されることがありますので、顔写真付きの身分証明書を送信させようとする事業者との取引には十分注意しましょう。

○ このような取引は、特定商取引に関する法律(昭和 51 年法律第 57 号)第 51 条第1項に規定する業務提供誘引販売業に該当する可能性があります。業務提供誘引販売業に該当する場合、同法第 58 条及び第 58 条の2の規定により、契約内容を明らかにした書面を受領した日から起算して 20 日以内にクーリング・オフ(契約の解除)をすることや勧誘の際に不実を告げられ誤認して行った契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しが可能となります。



フォローする