【特商法違反】消費者庁、株式会社iXSに6ヶ月の業務停止命令【マルチ商法】

消費者庁は、「FGN」と称するビジネススクールを運営する株式会社iXS(本社: 東京都豊島区)に対し、平成30年2月21日 から同年8月20日までの6か月間、連鎖販売取引に係る取引の一部(勧誘 (勧誘者に行わせることも含む。申込受付も。)、申込受付及び契約締 結)を停止するよう命じた。

特定商取引法違反となる、氏名等不明示、特定利益に関する事実不告知、契約 書面の不交付、適合性原則違反、契約書面に虚偽記載をさせる行為が確認されたという。

公表資料

株式会社iXSに対する行政処分の概要

1 事業者の概要

(1)名 称:株式会社iXS(イグス)(法人番号 4012701013894)
※旧商号:株式会社SKSO(平成29年5月17日変更)
(2)代 表 者:代表取締役 工藤 将太
(3)所 在 地:東京都豊島区池袋二丁目53番1号小林ビル3階
(4)資 本 金:80万円
(5)設 立:平成28年8月19日
(6)取引類型:連鎖販売取引(以下、同社が行う連鎖販売取引に関する契約を「本件連鎖販売契約」という。)
(7)取扱商品:「FGN」と称する社会人又は社会人になろうとする者を対象としたビジネススクールの役務(以下「本件役務」という。)

2 取引の概要

株式会社iXS(以下「同社」という。)は、「紹介料」と称する特定利益を収受し得ることをもって本件役務の提供のあっせんをする者(以下「会員」という。)を誘引し、会員との間で、本件役務の提供に係る対価の支払といった特定負担を伴う取引を行っていた。

3 行政処分の内容

(1)取引停止命令

ア 内容

特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第33条第1項に規定する連鎖販売取引に関する取引のうち、次の取引を停止すること。

① 同社の行う連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行い、又は勧誘者に勧誘を行わせること。
② 同社の行う連鎖販売業に係る連鎖販売取引について契約の申込みを受け、又は勧誘者に契約の申込みを受けさせること。
③ 同社の行う連鎖販売業に係る連鎖販売取引について契約を締結すること。

イ 停止命令の期間

平成30年2月21日から同年8月20日まで(6か月間)

(2)指示

同社に対し、特定商取引法第38条第1項の規定に基づき、以下のとおり指示した。

① 同社は、特定商取引に関する法律の一部を改正する法律による改正前の特定商取引に関する法律(以下「旧法」という。)第37条第2項に規定する契約書面の交付義務に違反する行為を行っており、また、勧誘者は、旧法第33条の2に規定する氏名等の明示義務に違反する行為、旧法第34条第1項第4号に規定する連鎖販売業に係る特定利益に関する事項についての故意による事実不告知並びに旧法第38条第1項第4号の規定に基づく特定商取引に関する法律施行規則の一部を改正する命令による改正前の特定商取引に関する法律施行規則(以下「旧施行規則」という。)第31条第7号及び第8号の規定に該当する行為を行っていた。かかる行為は、旧法の禁止するところであり、今回の違反行為の発生原因について、調査分析の上検証し、同社はその検証結果について、平成30年3月20日までに、消費者庁長官まで文書にて報告すること。

② 同社は、前記違反行為の再発防止策及び社内のコンプライアンス体制を構築し、当該再発防止策及び当該コンプライアンス体制について、本件取引停止命令に係る取引を再開する1か月前までに、消費者庁長官まで文書にて報告すること。

4 処分の原因となる事実

同社及び勧誘者は、以下のとおり、旧法に違反する行為を行っており、連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認められた。

(1)氏名等不明示(旧法第33条の2)

勧誘者は、遅くとも平成29年4月以降、同社の統括する一連の連鎖販売業(以下「本件連鎖販売業」という。)に係る連鎖販売取引をしようとするときに、その相手方に対して、「とりあえず池袋に話聞きに来てくれればいいから。」、「紹介したいバイトがあるんだけど。」等と告げるのみで、その勧誘に先立って、統括者の名称、勧誘者の氏名、特定負担を伴う連鎖販売取引についての契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る役務の種類を明らかにしていなかった。

(2)特定利益に関する事実不告知(旧法第34条第1項第4号)

勧誘者は、遅くとも平成28年11月頃以降、本件連鎖販売契約の締結について勧誘するに際し、「儲かっている。めちゃいいよ。」、「月々2万1600円払っても黒字になる。」等と、安易に特定利益により高収入が得られる話を強調していたにもかかわらず、実際には、新規会員が確実に増える保証はなく、それに伴う紹介料収入は不確実であり、会員のうち1割程
度の者しか入会金と月謝を上回る収入を上げていないといった、本件連鎖販売業に係る特定利益が得られる可能性の乏しさや困難さについて故意に告げていなかった

(3)契約書面の不交付(旧法第37条第2項)

同社は、遅くとも平成28年8月頃以降、本件連鎖販売業に係る役務の提供のあっせんを店舗等によらないで行う個人を相手方にして本件連鎖販売契約を締結した場合において、本件連鎖販売契約の内容を明らかにする書面を一部の相手方に交付していなかった。

(4)適合性原則違反(旧法第38条第1項第4号・旧施行規則第31条第7号)

勧誘者は、遅くとも平成28年10月頃以降、本件連鎖販売契約の締結について勧誘するに際し、学生であるために定期的な収入がなく、本件連鎖販売契約を締結すると特定負担の支払により生活が困窮する消費者に対して、「●●(具体的な地名)の学生ローン○○(具体的な業者名)に行ってみんな借りてきているから借りてきて。」等と告げることにより、消費者に消費者金融業者から借入をさせた上で本件連鎖販売契約を締結させようとしており、連鎖販売取引の相手方の財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行っていた

(5)契約書面に虚偽記載をさせる行為(旧法第38条第1項第4号・旧施行規則第31条第8号)

勧誘者は、遅くとも平成28年10月頃以降、未成年者である消費者が本件連鎖販売契約を締結するに際し、同社では本件連鎖販売契約の相手方が未成年者である場合、保護者の同意が必要であると取り決めているところ、保護者同意書について「ここに自分の親の名前を書いて。」、「本当はだめだけど自分でぱぱっと書いちゃって。」等と保護者の署名を消費者本人に書くよう示唆し、本件連鎖販売契約に係る書面に虚偽記載をさせていた。

5 勧誘事例

【事例1】(氏名等不明示)

平成29年7月頃、同社の会員Zは、大学の同級生である消費者Aのスマートフォンに「一緒に頑張ってみない。」とメッセージを送った。Aは何のことだと思い詳しく教えて欲しいと連絡をしたが、Zは「とりあえず池袋に話聞きに来てくれればいいから。」などとAが何を聞いてもはぐらかし、池袋での面会の約束を取り付けた。面会当日、ZはAを池袋のカフェに連れて行き、会員Yが同席し勧誘を行ったが、Yは自己紹介することもなく同社のビジネススクールをAに勧め、統括者の名称、勧誘者の氏名、特定負担を伴う連鎖販売取引についての契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る役務の種類について明らかにすることなく勧誘した。

【事例2】(特定利益に関する事実不告知)

平成28年12月頃、同社の会員Xは懇親会の席で、消費者Bに対し、「儲かっているよ。」と言った。更に会員W、会員VもBに対し、「儲かっている。めちゃいいよ。」と告げたため、Bは本当に儲かるのだと思うようになった。また、XはBに対し、「月々2万1600円払っても黒字になる。」と、勧誘時に特定利益が得られることを強調し消費者に告げ、その可能性の乏しさや困難さについて故意に告げずに勧誘を行った。その結果、Bは同社と契約を締結した。

【事例3】(適合性原則違反)

平成28年10月頃、同社の会員Uは消費者Cを勧誘するに際し、Cがアルバイトをしているが月3、4万円の収入しかないため、入会金10万8000円を用意できないと告げたところ、Uは「●●の学生ローン○○に行ってみんな借りているから借りてきて。」と告げた。Cが土地勘もなく借りるのを躊躇していると、会員TがCに対し、「一緒について行ってあげるよ。」と言い、Cは学生向け消費者金融業者でお金を借りた後、同社と契約を締結した。
同社との契約後、Cは毎月2万1600円の特定負担を支払うために、アルバイト収入や親からの仕送りの中から食費を削るしかなく、生活が困窮した。

【事例4】(契約書面に虚偽記載をさせる行為)

平成28年10月頃、同社の会員Sは、未成年者である消費者Dに対し保護者同意書を渡し、「今の親の人たちはこういうビジネスに対してあまりいい意見を持たないから、本当はだめだけど自分でぱぱっと書いちゃって。」と言い、Dに虚偽記載をするよう示唆した。Dは本当はだめなことなら、だめじゃないのかと不審に思ったが、Sに言われたとおり、保護者同意書に父親の名前を書き、押印した。