正社員との「手当格差」問題 最高裁で弁論が開かれる

労働契約法20条

業務内容が同じなのに、正社員と契約社員で賃金や手当に差をつけることの是非が争われた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は23日、当事者の主張を聞く弁論を開いた。

判決は6月1日。正社員と非正社員の待遇に不合理な差をつけることを禁じた労働契約法20条の解釈を巡り、最高裁は初の判断を示すとみられる。

労働契約法20条 有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。

原告は、物流会社「ハマキョウレックス」(静岡県浜松市)の滋賀県内の支店に勤務する契約社員の男性運転手。2016年7月の二審・大阪高裁判決は、「通勤手当」や「無事故手当」など4種類の手当について、正社員との格差を不合理と指摘。同社に差額分計77万円の支払いを命じた。

原告側はこの日の弁論で、同法20条の適用について「職務内容という客観的な要素を最も重視すべきで、合理的に説明できない格差は原則無効と解釈すべきだ」と主張。「正規労働者と非正規労働者の不合理な格差は、放置できない状況になっている」と訴えた。

一方、会社側は「人手不足が深刻ないま、人材獲得のため正社員に手当を支給したり福利厚生を充実させたりすることは、会社の合理的な裁量の範囲内にある」と主張。各種手当の差は不合理ではないと述べた。

他の裁判

正社員と非正規社員の格差を巡っては、運送会社「長沢運輸」(横浜市)の嘱託社員が定年退職後の再雇用での賃金引き下げを不当と訴えた訴訟も最高裁で争われている。第2小法廷はこの訴訟についても、6月1日に判決を言い渡す。

待遇格差を是正する「同一労働同一賃金」の実施は通常国会の焦点となっている働き方改革関連法案の柱の一つ。2件の訴訟で最高裁が示す判断によっては、議論に影響を与える可能性がある。



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